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安藤なつさん
スペシャルインタビュー

お笑い芸人・安藤なつが見た
介護の進化【前編】
思い出から紐解く介護の進化

2021年10月4日

高齢化が進む日本。65歳以上人口は、第一次ベビーブーム期に生まれた「団塊の世代」が75歳以上となる2025年には3,677万人に達すると見込まれています。これは、約4人に1人が65歳以上になる計算で、介護はより身近なものになっていくことが予想されます。 ※内閣府「令和3年版高齢社会白書」

そこで、介護歴20年以上で、2015年のM-1決勝戦前日まで働いていたというメイプル超合金の安藤なつさんに、介護職時代の思い出や、そこで学んだ介護業界の常識をお話していただきました。

中学生の頃から身近な存在だった介護

― 介護を始めたのはいつからですか?

  • 安藤さん:
    中学一年生のときからです。叔父が少人数制のアットホームな介護施設をはじめたので、遊びに行く感覚で毎週末通っていました。その施設では、デイサービスだけじゃなく、長期宿泊も行っていました。

― 忘れられない思い出はありますか?

  • 安藤さん:
    あるおばあさんを起こして、洋服に着替えてもらう仕事を任されていたのですが、初めの頃は全く言うことを聞いてもらえなくて、「今週もダメだった…」とよく落ち込んでいました。でも、毎週通い詰めたある日、私の言う通りに、洋服に着替えてくれたんです。あの時はめちゃくちゃ嬉しかったですね。

介護施設のリアルな現場とは

― 介護施設はどんな方が利用されていましたか?

  • 安藤さん:
    高齢の方もいましたが、体の不自由な方の方が多かったです。幼稚園くらいの子どもからお年寄りまで、幅広い年齢層の方が利用されていたので、自閉症の子や脳性麻痺の子のお世話をすることもありました。

― どんな方のお世話をしていましたか?

  • 安藤さん:
    担当は特に決まっていなくて、職員さんからランダムにお願いされる方のお世話をしていました。同い年くらいの脳性麻痺の子のお世話で、食事の時にご飯を食べさせるのに苦労した記憶があります。脳性麻痺の方は、本人の意思とは関係なく筋肉が反応するので、口が開くタイミングがいつ来るのかがわかりません。はじめの頃は、口が開いたり閉じたりするタイミングがうまく掴めなかったのですが、何度も繰り返していくうちにタイミングが分かってきて、すんなりとご飯を食べられた時は少し感動しました。その方も、緊張せずにご飯が食べられて、安心している様子でした。

介護施設の合宿やイベントの思い出

― 高校でも介護を続けていたのですよね?

  • 安藤さん:
    アルバイトで2年ほど携わっていました。中学の頃と同じように毎週末宿泊していました。思い出に残っているのは、長期の休みにみんなで行った合宿です。この頃になると、叔父の施設はだいぶ大きくなっていて、部活のような運動教室を5種類以上は開いていました。

― 中学・高校の部活で行うような合宿ですか?

  • 安藤さん:
    まさに、その通りです。部活ごとに行っている夏合宿と同じように、教室ごとにバーベキューをしたり、川遊びをしたりしました。 合宿では、1人の利用者さんに付きっきりで2泊3日を過ごすので、普段よりもぐっと距離が縮まります。合宿先ではいつもよりテンションが高くて、ハプニングなどもあって大変なことに変わりはないのですが、みんなの楽しそうな顔が見られるのは単純に嬉しかったですね。それに、合宿後は、私のことをきちんと認識してくれるようになるので、密な時間を過ごすことの大切さを実感しました。

― 他にはどんなイベントがありましたか?

  • 安藤さん:
    思い出に残っているのは、みんなで池袋サンシャインシティに行ったことです。その時に「絶対に手を離さないで」と頼まれていた自閉症の子が、手をつないで一緒に歩いているときに、急に私の手を振り払って走り出したことがありました。普段の生活で自閉症の子と接することがない方なら、「急にどうしたの?」と驚くと思いますが、これは自閉症の子にとっては普通のことです。私たちには理解できなくても、その行動には必ず目的や理由があります。驚くことも多かったのですが、お世話をするうちに、それぞれの利用者さんの考えていることや最適な対応の仕方が少しずつ分かるようになりました。

ボランティアとアルバイトの違い

― ボランティアとアルバイトでは、違いはありましたか?

  • 安藤さん:
    作業内容的にも意識的にも、違いはほとんどありませんでした。子どもの頃から介護は身近な存在だったので、先入観や偏見がない状態でスタートしたのが、よかったのかもしれません。なので、こうやって話をしていて「大変だったでしょ?」と言われても、当時は大変だと思わずに介護をしていたので、全くピンと来ないんですよね。 ただ、大人になるにつれて介護にまつわる情報を知っていくと、「大変そう」というイメージが先行していくでしょうし、ハードルを高く感じても仕方がないと思います。

― 学生の頃から、貴重な社会勉強をしていたのですね。

  • 安藤さん:
    個人的には、特別なことだとは思っていないのですが…。もし、身近にお年寄りがいる方は、その方たちが不便なく生活するためのお手伝いだと思ってみてはいかがでしょうか?「介護をしてもらう」「介護をされる」という考え方を頭の中から一度追い出して、その方が「どうしたら気持ちよく生活できるのだろうか?」という風に変えてみると、「世間で言われているほど大変じゃないな」と思えるかもしれませんね。

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インタビュー内容は
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お笑い芸人・安藤なつが見た
介護の進化

【前編】
思い出から紐解く介護の進化

中学生の頃から身近にあった介護
介護施設のリアルな現場とは?

【後編】
意外と知らない介護業界

社会人になってからの介護経験
少しづつ進化している現場、整う法制とは?

介護の目的は
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【前編】
家族を助けるのも介護のプロの仕事

家族の介護で悩みそうな方へのアドバイス
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【後編】
今は任せる介護が当たり前

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民間の介護保険は
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【前編】
将来の準備金としての介護保険

初心者の方にも分かりやすくご説明
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