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安藤なつさん
スペシャルインタビュー

介護の目的は家族全員の幸せ【前編】
家族を助けるのも介護のプロの仕事

2021年10月4日

お笑いコンビ・メイプル超合金の安藤なつさんに、介護にまつわるお話をお伺いしていくシリーズ。今回は、介護サービスを利用することで、利用者やご家族にどんなメリットがあるのか、また第三者が入る必要性などをお伺いしていきます。

さらに、ヤングケアラーやシングル介護など社会問題に対する見解に加えて、介護のプロが介入する理想的なタイミングなど、今後、家族の介護で悩みそうな方へのアドバイスが満載です。

近年の介護問題

― 近年、ヤングケアラーやシングル介護といった介護にまつわるニュースが増えています。

  • 安藤さん:
    そうですね。でも、社会全体を俯瞰した場合、今の日本は晩婚化も進んでいますし、それに伴い出産年齢も遅くなっているので、ヤングケアラーが増えてしまうのは仕方ない気もします。ヤングケアラーになってしまうのを阻止する方法としては、やはり、介護のプロなどの第三者が入ることだと思います。ただ、学生など若い方が、家族の介護サービスや施設に申し込むことは、まずありません。まわりにいる大人によるフォローは欠かせないと思います。

― シングル介護も大きな問題になっています。

  • 安藤さん:
    シングル介護の現場にも、第三者を入れてほしいですが、頼れない理由を抱えているケースもあると思います。よく言われるのが、お金の問題です。介護保険制度では、認定レベルが上がるほど保障が厚くなるけれど、認定レベルを上げるのは難しいと聞きます。私は現場の人間だったので、制度的なことはあまり詳しくありませんが、 きちんとその人に合った要介護レベルに認定してほしいですね。

介護は家族だけでしなくても良い

― 介護サービスを利用するメリットは?

  • 安藤さん:
    色々あるのですが、利用者とそのご家族に共通して言えるのは、「心の余裕が生まれる」ことでしょうか。ほんの数時間だけでも外の空気に触れることで気分転換になります。ご家族の方が介護に集中していたとしても、第三者が入ることで、自分たちを俯瞰して見られることも大きなメリットでしょう。

― ご家族側が介護で無理をしている場合はわかるものですか?

  • 安藤さん:
    なんとなくですが、わかります。家族内で介護を全部しないといけないと思っている人は、いつも辛そうな表情をされていますし、笑ったとしても目が笑っていません。ご家族と接する時間は送迎時のあいさつくらいでしたが、利用者さんを送り出す時よりも、迎え入れるときの方が、ご家族のまとう空気が柔らかく感じることが何度もありました。利用者さんをデイサービスに預けることで心の余裕を取り戻して、家族としての関係性を取り戻していたのでしょう。

― 「介護は家族でするもの」という風潮に思うことは?

  • 安藤さん:
    なぜ、こんな風潮が昔からあるのでしょうか?反対に教えてほしいくらいです。家族のお世話をすることで精神的に追い詰められて、 お互い苦しむくらいなら、第三者を入れて、新しい空気を吸えばいいのに…。テレビで老老介護関連の悲しいニュースを見ると、密閉された空間で2人っきりで生活をしていて、お互いが苦しかったのだろうなと思います。

― 家族で介護をしないことに罪悪感を持っている人も多いと思うのですが…?

  • 安藤さん:
    実際、そう思われているご家族は多いですね。でも、介護現場を経験した私からすると、第三者が入ることで、利用者さんとご家族にプラスの影響が現れたケースをたくさん見てきました。もし、介護サービスを利用するかどうかで迷われているのなら、すぐにでも使ってほしいですね。

    外からのサポートが入ることでご家族の負担が減ると思います。すると、自分の趣味やしたいことに使える時間を確保できて、生活が充実しますし、心も安定します。そういったご家族が増えていけば、いま問題になっているヤングケアラーやシングル介護の防止にも繋がるのではないでしょうか。

家族介護への意識変化の必要性

― 古い考えのままお世話を続けている人は、どうしたら第三者を受け入れてくれるのでしょうか?

  • 安藤さん:
    これは、なかなか答えが出てこない、深い問題ですね…。こういうご家族は近所からも孤立している可能性が高いと思います。「郵便受けが溢れている」などの通報を受けて、区や市の人が様子を見に行くこともあると思います。でも、「うちは大丈夫です」と言われたら、それ以上は深追いできません。

    個人的には、区や市の人が様子を見に行くようにまでなっていたら、大丈夫な状態ではないと思います。それでも、本人たちが幸せだと思うのならいいのですが…。

    金銭問題や親戚関係など、色々な要素が絡んでいるケースもあるでしょうし、事情を聞くのも難しいでしょう。おそらく、現場の人間からも強くは言えないと思います。本人たちからのヘルプがないとスタートできないというのが実情だと思います。

― 本人たちの意識の変化が必要なのですね。

  • 安藤さん:
    介護サービスは、利用者さんに必要なケアをするだけでなく、利用者さんとご家族の関係性をよくする潤滑油にもなることを知ってほしいですね。それに、介護職は専門職でもあります。私は水道屋さんじゃないので、水道トラブルは一人では直せません。そんな時はすぐに水道屋さんに頼みます。「餅は餅屋」という言葉もありますし、介護サービスを利用するかどうかも、そういう感覚でいいと思います。

    自分たちだけで、その場しのぎの対応を繰り返していても、根本的な解決にはなりません。それに、トラブルが発生する度に対応しないといけませんし、いつトラブルが発生するだろうかと、いつもハラハラしていて、体力的にも精神的にも辛くなるはずです。介護を全面的に引き受けているご家族の方も、似たような心境なのではないでしょうか?

― 無理をせずに、プロにお願いすることが大切なのですね。

  • 安藤さん:
    ライフスタイルが多様化している現代人にとって、家族間ですべてお世話をすることは無理に等しいと思います。必ずどこかにしわ寄せがきてしまうでしょう。他人に介護を頼むのは決して恥ずかしいことでも、後ろめたく思うことでもありません。家族みんなの生活と人生を豊かに過ごすためにも、プロに頼るのは当たり前だと思って大丈夫です。

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