民間介護保険の概要
内閣府の「令和4年版高齢社会白書」によると、2021年における日本の65歳以上人口は約3,621万人で、高齢化率は28.9%(※)という調査結果も出ています。さらに、2045年には高齢化率が36.8%になるという推測も出ており、ますます高齢化が進むとされているのです。
心置きなく介護サービスを利用するためにも、各世帯における介護費用の備えはこれから重要になるでしょう。
※参考:内閣府「令和4年版高齢社会白書」
公的介護保険との違い
項目 | 公的介護保険 | 民間介護保険 |
加入義務 | あり(40歳以上) | なし(個人の意思で加入) |
給付方法 | 現物支給(介護サービス) | 現金支給(受け取り方法は契約内容で変わる) |
給付額 | 要介護・支援の度合いに応じて変わる | 任意の設定によって変わる |
保険料支払い免除 | なし | 保険商品によって異なる |
手続き先 | 市区町村 | 保険会社など |
一方で民間介護保険の場合、商品ごとに給付要件など内容が異なることが特徴です。
要介護者の増加により民間介護保険のニーズは高まっている
2000年度(平成12年度)末時点では、同認定者数は約256万2,000人だったため、20年で約2.66倍に増えている計算になります。
生命保険文化センターが行なった2021年度の調査(※2)によると、「今後増やしたい生活保障準備項目」として、「世帯主が要介護状態となった場合の介護資金の準備」と答えた割合は25.6%という結果でした。2012年調査時の20.6%と比べると、5.0ポイントも上昇しています。
これらの調査結果から、民間の介護保険のニーズは向上していることがわかります。
民間介護保険に加入する3つのメリット
現金給付のため介護サービス以外の用途での利用も可能
一方、公的介護保険の場合は、現金ではなくサービス自体が給付されるため、規定の介護サービス以外の用途へは適用できません。日常的な生活費なども含めて、介護全体にかかる費用へ使うことができるのは、民間介護保険ならではの利点といえます。
ニーズに応じて豊富な種類から選べる
また、支払いのタイミングに関しても、年金タイプとして一生涯の給付を受けられるものや、一時金タイプとしてまとめて給付を受けられるものがあります。日々の介護費用に充てたい場合は年金タイプ、まとまった費用を受け取りたい場合は一時金タイプが適しています。
生命保険料の控除対象になる
介護保険として将来に備えながら、所得税や住民税の負担を抑えられます。
民間介護保険に入る際の注意点
健康状態によっては加入できないケースがある
健康上の理由で通常の介護保険への加入が難しい場合は、引受基準緩和型の介護保険も選択肢となるでしょう。
保険料の支払いが必要になる
無理なく支払い続けられる商品・プランを選ぶことが大切です。
民間介護保険の選び方
給付金の受け取り方
年金タイプ
一時金タイプ
保険期間
定期タイプ
保障期間が終身タイプに比べると短いため、多くの場合保険料が抑えられることが特徴です。
終身タイプ
給付条件
公的介護保険のみを給付条件としているタイプ
保険会社・商品独自の条件があるタイプ
その他の特徴で選ぶ
保険料の払込みが免除されることで家計への負担が抑えられるというメリットがあります。