医療費控除の概要
医療費控除の対象となる医療費の例としては、次のような項目が挙げられます。
・医師または歯科医師による診療・治療や、入院のための費用
・治療や療養に必要な医薬品の購入のための費用
・保健師や看護師などによる療養上の世話のための費用
・助産師による分べんの介助の費用
・介護福祉士などによる喀痰吸引および経管栄養の費用
・介護保険制度による介護サービスの一定の施設・居宅サービスの自己負担額
医療費控除の計算方法
・所得が200万円以上の場合
1.年間に支払った医療費から、保険金などで補てんされた金額を差し引く
2.1の金額からさらに10万円を差し引く
・所得が200万円未満の場合
1.年間に支払った医療費から、保険金などで補てんされた金額を差し引く
2.1の金額から、所得の5%を差し引く
医療費控除を受けられる「居宅」サービスの種類
対象となる居宅サービス
・訪問看護
・介護予防訪問看護
・訪問リハビリテーション
・介護予防訪問リハビリテーション
・居宅療養管理指導(医師などによる管理・指導)
・介護予防居宅療養管理指導
・通所リハビリテーション(医療機関でのデイサービス)
・介護予防通所リハビリテーション
・短期入所療養介護(ショートステイ)
・介護予防短期入所療養介護
・定期巡回・随時対応型訪問介護看護(一体型事業所で訪問看護を利用する場合)
・看護・小規模多機能型居宅介護(上記の居宅サービスを含む組合せで、生活援助中心型の訪問介護の部分を除く)
条件付きで対象となる居宅サービス
・訪問介護(ホームヘルプサービス)※生活援助中心型を除く
・夜間対応型訪問介護
・訪問入浴介護
・介護予防訪問入浴介護
・通所介護(デイサービス)
・地域密着型通所介護
・認知症対応型通所介護
・小規模多機能型居宅介護
・介護予防認知症対応型通所介護
・介護予防小規模多機能型居宅介護
・短期入所生活介護(ショートステイ)
・介護予防短期入所生活介護
・定期巡回・随時対応型訪問介護看護(一体型事業所で訪問看護を利用しない場合および連携型事業所に限る)
・看護・小規模多機能型居宅介護(対象となる居宅サービスを含まない組合せで、生活援助中心型の訪問介護を除く)
・地域支援事業の訪問型サービス(生活援助中心のサービスを除く)
・地域支援事業の通所型サービス(生活援助中心のサービスを除く)
対象とならない居宅サービス
・訪問介護(生活援助中心型)
・認知症対応型共同生活介護(認知症高齢者グループホーム)
・介護予防認知症対応型共同生活介護
・特定施設入居者生活介護(有料老人ホームなど)
・地域密着型特定施設入居者生活介護
・介護予防地域密着型特定施設入居者生活介護
・福祉用具貸与
・介護予防福祉用具貸与
・看護・小規模多機能型居宅介護(生活援助中心型の訪問介護)
・地域支援事業の訪問型サービス(生活援助中心のサービスの場合)
・地域支援事業の通所型サービス(生活援助中心のサービスの場合)
・地域支援事業の生活支援サービス
医療費控除を受けられる「施設」サービスは4つ
指定介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)、指定地域密着型介護老人福祉施設
介護老人保健施設
指定介護療養型医療施設(療養型病床群等)
なお、介護保険法の改正により、2023年度末で廃止されることとなっています。
介護医療院
交通費やおむつ代も医療費控除の対象になる?
交通費
公共交通機関の運賃には領収書がないケースもありますが、記録があれば申告できます。日時や場所、目的などをしっかりと記録しておきましょう。
おむつ代
また、おむつ代による医療費控除を受けるのが2年目以降の場合は、介護保険法に基づく主治医意見書の写しや、主治医意見書を自治体が確認した書類などを証明書の代わりとすることができます。
医療費控除を受けるための確定申告の方法5ステップ
ステップ1:医療費控除の対象となる金額を確認する
介護サービスを利用した際、多くの場合では、領収書に医療費控除の対象となる金額が記載されています。おむつ代や交通費、他の医療費なども含めて1年間に支払った医療費を正しく計算し、合計が10万円(総所得金額が200万円未満の場合はその5%)を上回っているかを確認しましょう。
ステップ2:医療費控除額を計算する
先ほど説明した計算方法で、自分が受けられる医療費控除額を計算します。
ステップ3:確定申告書と明細書を作成する
税務署の窓口や国税庁のホームページで確定申告書や「医療費控除の明細書」を記入・作成しましょう。使用した医療費の領収書などは、自宅で5年間保管する必要があります。
ステップ4:作成した書類を税務署に提出する
確定申告期間中(原則的に毎年2月16日~3月15日)にステップ3で作成した書類を税務署に提出すれば、確定申告は完了です。
ステップ5:医療費控除で戻ってくる還付金を確認する
還付金がある場合は、申告してから1ヵ月~2ヵ月程度で指定した金融機関の口座に振り込まれます。正しい金額が振り込まれているかを確認してください。また、郵便局やゆうちょ銀行で受け取ることもできます。