要支援・要介護状態や、認知症になったときの経済的負担などを解説します。

知っておきたい!
介護・認知症についての基本

要支援・要介護状態や、認知症になったときの経済的負担などを解説します。

知っておきたい!
介護・認知症についての基本

要支援・要介護の認定者数はどのくらい?

2030年には65歳以上の約5人に1人が要支援・要介護認定者となる見通しです。

厚生労働省「第74回社会保障審議会介護保険部会資料」より当社推計

※1厚生労働省「第92回社会保障審議会介護保険部会資料」および「介護保険事業状況報告の概要(令和5年10月暫定版)」より当社推計(第1号被保険者に対する65歳以上の認定者数の割合を使用)

※2厚生労働省「令和3年度介護保険事業状況報告(年報)」

※3厚生労働省「令和3年度介護保険事業状況報告(年報)」および「第55回社会保障審議会介護保険部会資料」より当社推計

要支援・要介護認定者数は今後さらに増加することが予想されます。
介護は誰にとっても他人事ではないですね。​

認知症患者数はどのくらい?

2030年には約1,548万人がMCIまたは認知症患者となり、65歳以上の約3人に1人となる見通しです。

65歳以上を対象として各年齢の認知症有病率が上昇する場合の数値を使用  内閣府「平成29年版高齢社会白書」、首相官邸認知症施策推進関係閣僚会議(第2回)資料  厚生労働省老健局 社会保障審議会介護保険部会(第92回)「介護保険制度をめぐる最近の動向について」より当社推計

認知症患者の増加に伴い、より多くの人がご自身または身近な人の認知症に直面することが予想されます。
認知症に伴う介護について、事前に考え準備をしておくことが大切です。

介護が必要となった主な原因は?

介護が必要となった原因の第1位は認知症、
第2位は脳血管疾患、全体の約40.8%は生活習慣病を含む疾病です。

厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査」

多くの方が気になる生活習慣病を含む疾病が原因の4割以上を占めており、
介護は高齢者だけの問題ではないといえます。

認知症になりやすい性格とは?

認知症になりやすい方の性格には「些細なことが気になる」などいくつか共通の特徴がある
と見られています。

認知症になりやすい人には、性格のほか生活習慣にも共通する特徴があることが分かっています。
認知症のリスクにはしっかり備えておきたいですね。

認知症の初期症状はどんなもの?

認知症の初期症状として「物忘れ」や「集中力の低下」など主に4つの症状が挙げられます。

認知症は早期の治療による重症化予防が大切です。
ご自身や身近な方の初期症状・サインを見逃さないようにしましょう。

認知症などの介護にかかる費用はどのくらい?

介護に必要な費用は総額平均580万円※1月額約8.27万円※2となっています。
認知症の方の在宅介護では通常の介護よりも多額の費用が必要になると言われています。

※1公益財団法人生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」より当社試算

※2(公財)生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」令和3年度

公益財団法人家計経済研究所「在宅介護のお金とくらしについての調査」(2016年)(月額金額をもとに当社にて推計/試算)
​「平成25年度 介護保険事業状況報告(厚生労働省)」「平成24~25年度 認知症者の生活実態調査結果(厚生労働省)」のデータより​当社試算​

認知症になった場合にはより多くの介護費用がかかる傾向にあることを踏まえ、
将来の介護に対し、しっかりと経済的な準備をしておきたいですね。

MCI(軽度認知障害)とは?

「Mild Cognitive Impairment」の略称です。
物忘れなどの症状がありつつも日常生活への影響はほとんどなく、認知症とは診断できない、
「正常と認知症の中間」といえる状態をいいます。

※1厚生労働省老健局「認知症施策の総合的な推進について(参考資料)」

※2厚生労働省「e-ヘルスネット」より、年間10%の方が認知症に進行すると仮定して当社試算​

認知症予防には、MCI段階で周囲が早期に発見し、回復するための適切な対応や取組みを行うことが重要です。

「公的介護保険制度」とは?

市区町村が主体となって運営する介護関連の社会保険制度です
40歳以上の方は全員加入して介護保険料を納め、要支援・要介護認定を受けた際には介護サービスを受けられます。

「公的介護保険制度」のしくみ

被保険者
給付
 
40歳未満
対象外
40~64歳以上
(第2号被保険者)
交通事故など「特定疾病」以外が原因
対象外
「特定疾病」が原因
対象
65歳以上
(第1号被保険者)
すべての原因
対象
  • 「公的介護保険制度」は満40歳以上の方が対象です。(2024年8月現在)
  • 介護サービスを利用できるのは、65歳以上の方(第1号被保険者)または、「特定疾病」で要介護状態になった40~64歳の方(第2号被保険者)です。

特定疾病 加齢にともなって生じる疾病として、16種類が指定されています。

1.がん(がん末期)(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。) 2.関節リウマチ 3.筋萎縮性側索硬化症(ALS) 4.後縦靱帯骨化症 5.骨折を伴う骨粗鬆症 6.初老期における認知症(アルツハイマー病・脳血管性認知症等) 7.進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症及びパーキンソン病(パーキンソン病関連疾患) 8.脊髄小脳変性症 9.脊柱管狭窄症 10.早老症(ウェルナー症候群等) 11.多系統萎縮症 12.糖尿病性神経障害、糖尿病性腎症及び糖尿病性網膜症 13.脳血管疾患(脳出血・脳梗塞等) 14.閉塞性動脈硬化症 15.慢性閉塞性肺疾患(肺気腫、慢性気管支炎等) 16.両側の膝関節又は股関節に著しい変形を伴う変形性関節症

公的介護保険制度では、介護認定を受けることによって「介護サービス」が受けられますが、
現金が支給されるわけではありません。
「介護サービス」を受ける際には利用したサービスの1~3割が自己負担となり、
支給限度額を超えた分は全額自己負担となります。

「要介護認定」とその目安とは?

公的介護保険制度では、介護が必要な度合いに応じて、 要支援1から要介護5のいずれかに区分されます。

要支援1
  • 日常生活の一部に見守りや手助けが必要
  • 立ち上がりなどに何らかの支えを必要とすることがある
要支援2・要介護1
  • 食事や排せつなど、時々介助が必要
  • 立ち上がりや歩行などに不安定さがみられることが多い
上記の2つと次のいずれかに該当する場合は「要介護1」となります。

認知機能の低下が見られる

おおむね6か月以内に介護の手間が増加する可能性がある

要介護2
  • 食事や排せつに何らかの介助が必要
  • 立ち上がりや歩行などに何らかの支えが必要
要介護3
  • 食事や排せつに一部介助が必要
  • 入浴などに全面的に介助が必要
  • 片足での立位保持ができない
要介護4
  • 食事に一部介助が必要
  • 排せつ、入浴などに全面的に介助が必要
  • 両足での立位保持がほとんどできない
要介護5
  • 日常生活を遂行する能力は著しく低下し、日常生活全般に介助が必要
  • 意思の伝達がほとんどできない

公的介護保険による介護サービスを受けるには、まず「要介護認定」を受ける必要があります。
要介護度別に、受けられる介護サービスの内容や支給限度額が定められています。

「公的介護保険制度」で受けられるサービスと自己負担額とは?

在宅または施設で受けられる様々な内容のサービスがあります。
「公的介護保険」で受ける介護サービスの自己負担額は1~3割です。

介護サービスの種類

在宅サービス

  • 訪問介護
  • 福祉用具購入費の支給
  • 通所介護(デイサービス)
  • 住宅改修費の支給
  • 通所リハビリテーション(デイケア)
など
または

施設サービス

  • 特別養護老人ホーム
  • 老人保健施設
  • 療養型病床
など

「公的介護保険制度」のサービスの支給限度額と自己負担額

● 「公的介護保険制度」を支給限度額まで利用した場合の1年間の自己負担額(1割負担の場合)

厚生労働省老健局老人保健課「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の一部を改正する件の公布について」(平成31年3月28日)より当社で試算​

介護サービスを支給限度額まで利用した場合の自己負担額(自己負担割合が1割の場合)は全国平均であり、地域によって異なる場合があります。介護サービスの支給限度額を超えたサービス利用分は全額自己負担になります。

一定以上の所得がある65歳以上の方は2~3割負担となります。

● 介護費用の自己負担

 

第1号被保険者(65歳以上の方)が対象。

※1「本人の合計所得金額160万円以上」かつ「老齢年金の収入額+年金以外の合計所得金額が、単身者では280万円以上、世帯に65歳以上が2人以上いる場合では合計346万円以上」

※2「本人の合計所得金額220万円以上」かつ「老齢年金の収入額+年金以外の合計所得金額が、単身者では340万円以上、世帯に65歳以上が2人以上いる場合では合計463万円以上」合計所得金額とは、収入から公的年金控除などの必要経費を差し引いた後で、基礎控除などを差し引く前の金額をいいます。

要介護度に応じて介護サービスの支給限度額が異なります。
介護サービスを受ける際には、利用したサービスの1割~3割が自己負担となります。