老後をどう考える?
年代別アドバイス

30代から民間介護保険で老後に備える必要性は?
メリットや選び方


30代は、結婚や出産、マイホーム購入といったライフイベントに加えて、仕事における昇進や転職など変化の多い年代です。そのため、老後のイメージがしづらく、備えはまだ先で十分と考える方も多いのではないでしょうか。

しかし、「人生100年時代」といわれる昨今、「老後」にあたる時間は昔と比べて長くなっています。そのため、老後を豊かに過ごすためには、30代から万全の準備をしておくことが大切です

そこで老後の備えに役立つ手段として、民間介護保険が挙げられます。この記事では、30代から民間介護保険で老後に備える必要性について、公的介護保険との違いや加入するメリットなどを踏まえて解説します。

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公的介護保険と民間介護保険の違い

介護保険には、民間と公的の2種類があります。

公的介護保険とは、2000年からスタートした社会保険です。従来、介護は家族が行うものとされていましたが、高齢化や核家族化にともない、家族の負担を軽減し、介護を社会全体で支えることを目的に創設されました。

公的介護保険は、40歳から加入が義務付けられており、65歳以上は「第1号被保険者」、40〜64歳は「第2号被保険者」に分類されます。

一方、民間介護保険は保険会社が提供する保険商品です。公的介護保険とは異なり年齢制限がなく、30代で加入できるものもあります。自助努力として加入する保険であるため、ニーズにマッチする商品を選ぶことが大切です。

ただし、加入時には健康状態の告知が求められるほか、商品ごとに独自の加入条件が設けられている場合があります。

30代で民間介護保険に加入する必要性

ここでは、30代で民間介護保険に加入する必要性について、介護保険加入率を踏まえて解説します。

30代の介護保険加入率

公益財団法人生命保険文化センターが発表した「2022(令和4)年度生活保障に関する調査」によると、20代男性の介護保険・介護特約の加入率は5.1%、20代女性が5.2%でした。これに対して、30代男性の加入率は12.0%、30代女性が9.6%となっています。

加入率が高い年代は男女ともに50代で、男性は13.1%、女性は15.4%です。30代から50代に向けて加入率が高まり、60代以降下がる傾向にあります。30代は老後の備えに対する意識が高まり始める年代といえるでしょう。

30代は人生が変化する年代

冒頭で触れたように、30代はライフイベントやビジネス面の変化などが多い年代です。忙しい毎日のなかで、「老後なんてまだまだ先のこと」と考えてしまうのは無理もないことでしょう。

しかし、30代に入ると病気や怪我のリスクが徐々に高まります。また、日本は「人生100年時代」を迎え、いわゆる「老後」の期間は従来と比べて長くなっているため、豊かな人生を過ごすために、人生計画を見直して万全の準備をしておく必要があります。併せて、30代は収入が安定し始める世代でもあり、民間介護保険に加入するチャンスともいえるでしょう

30代からの備えには自助努力が必要

「2022(令和4)年度生活保障に関する調査」によると、老後の日常生活の大部分を公的年金で「まかなえるとは思わない」と回答した30代は81.3%となっており、多くの人が不安を感じていることがわかるでしょう。

30代は、子どもの教育費や親の介護費など、将来に向けた備えが必要になってくる年代です。老後にゆとりある暮らしをするためには、公的年金だけに頼るのではなく、自助努力も必要となります。そこで役立つ手段が民間介護保険です。

※出典:(公財)生命保険文化センター「2022(令和4)年度生活保障に関する調査」

30代から老後に備えて民間介護保険に加入するメリット

30代から老後に備えて民間介護保険に加入するメリットについて解説します。

メリット① 月々の掛け金を抑えられる

若いうちから民間の保険で備える場合、スタートが早ければ早いほど月々の保険料は少額になります。
「毎月の収支に余裕がないから……」と、保険加入を諦める方もいらっしゃいますが、少ない金額で備えるためには「早く始めること」が大切です。
若いからこそ、月々の費用を節約できるのです。

メリット② ライフステージの変化に対応するための備えができる

これから年齢が上がるにつれて、住宅ローンや子どもの進学、そして親の病気や介護など、暮らしにお金がかかるライフステージへと移行していきます。
そのような状況で、新たに老後の備えへの費用を捻出するのには抵抗感があり、結果的に老後が近づいてから、備えがないことに慌てるというケースも少なくありません。

30代の今だからこそ、これから起こるライフステージの変化に備えられ、安心して老後を迎えることができるのです。

メリット③ 健康なうちに加入できる

民間介護保険に加入する場合、健康状態の告知が必要となります。商品によっては、怪我や病気などの既往歴があると加入を断られるケースも少なくありません。

特に、年齢を重ねると疾病リスクが高まり、民間介護保険に加入したくてもできないケースが考えられます。その点、健康なうちに加入ができるとスムーズです。疾病により民間介護保険に加入できない可能性を考えると、早めの民間介護保険への加入はメリットになるでしょう。

30代で民間保険への加入を検討すべき人は?

ここでは、30代で民間介護保険を検討すべき人について解説します。

収入や貯蓄が少ない

「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、平均介護期間は61.1ヵ月という調査結果となっています。また、住宅改造や介護用ベッドの購入など一時的にかかった費用の平均が74万円、月々にかかる費用が1ヵ月あたり平均で8.3万円です。

これを踏まえると、介護に必要とされる費用の総額は約581万円になります。介護状況によっては、さらに増える可能性もあるでしょう。

収入や貯蓄が十分であれば、自己資金で介護費用をまかなえますが、不十分と感じている方は民間介護保険に加入しておくと安心です

出典:(公財)生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」

近くにサポートしてくれる人がいない

介護を要する状態になったとき、家族や親戚、友人など身近にサポートをしてくれる人がいると助かります。一方で、頼る人がいない場合は、たちまち生活に支障が出る恐れがあるでしょう。

こうした状況下で役立つのが民間の介護サービスです。民間の介護サービスでは、家事代行や送迎、訪問理容など、公的介護保険制度の範囲外の支援を受けられます。介護に使える資金が十分にあれば、自分にマッチするサービスを自由に選べますが、資金が足りない場合は選択肢が狭まり、必要とするサービスを受けられない可能性があります

将来の生活を保障するためにも、30代から民間介護保険に加入して備えることが大切です。

30代の民間保険を選ぶポイント

30代の民間保険を選ぶ際のポイントについて解説します。

保障内容を確認する

民間介護保険は、商品によって保障内容が異なります。例えば、保険料が安くても保障対象の要介護度が高い場合や、特定の身体障がい状態が求められる場合、介護が必要な状態だとしても要件を満たさず保障を受けられない可能性があります

そのほか、給付金の受け取り方法も、年に複数回給付される「年金タイプ」や、一度にある程度まとまった金額を受け取る「一時金タイプ」などがあります。

いざという時に満足のいくサービスを受けるためにも、事前に保障対象や受給方法などを細かく確認しましょう

公的介護保険の保障を踏まえて検討する

民間介護保険の保障内容や保障額は商品によって異なり、保障が手厚くなればそれだけ保険料が高くなるケースが一般的です。

30代のうちは公的介護保険の加入義務がないため、支払う保険料は民間介護保険のみですが、40歳以上になると公的介護保険の保険料も加わります。保障内容や保障額を重視しすぎると、40歳になってから保険料の支払いに苦労する可能性も否めません。

民間介護保険を選ぶ際は、公的介護保険の保障内容を踏まえたうえで、不足している部分を補える商品を探すことが大切です。それでも保険料の支払いが困難に感じる場合は、保障内容の見直しをして調整しましょう。

あとから保険の見直しが可能なタイプを選ぶ

年齢を重ねると、30代ではイメージできなかった生活状況や体調の変化が起こる可能性があります。こうした状況に柔軟に対応するためには、あとから見直しができる民間介護保険を選ぶことが大切です。

一般的に、終身型と比較して保障期間が短い定期型は、保険の見直しがしやすいといわれています。ただし、近年は高齢となったときの介護リスクに備えて、終身型を選ぶケースも少なくありません。

事前に、加入後の見直しに加えて、保障内容や保障期間などを細かく確認したうえで、自分にマッチした民間介護保険を選びましょう。

30代から老後の備えを検討しておこう


30代は、昇進や転職などビジネス面における変化や結婚、出産といったライフイベントが多い世代です。「人生100年時代」といわれる昨今ですが、こうした忙しい日々のなかで老後のイメージまでできないという方は多いでしょう。

しかし、老後の備えは早い段階から検討したほうが賢明です。特に、収入面が安定し始める30代は、民間介護保険に加入するタイミングとして適しています。

また、介護保険だけでなく、年齢を重ねると起こりやすくなる生活習慣病に対応した保険もおすすめです。

  
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将来に備えて保険加入をご検討中の場合は、ぜひご活用ください。

赤上 直紀

元銀行員。住宅ローンを通じて、多くのお客様のライフプランニングに携わる。住宅ローンは人生で一番の買い物と言われているため、慎重に契約すべきだと考える。現在は、編集者として金融機関を中心に、ウェブコンテンツの編集・執筆業務を行う。

資格:1級ファイナンシャル・プランニング技能士

公開日:2024年10月17日

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