介護予防で健やかにすごそう

高齢者が、将来介護が必要な状態になっても
住み慣れた地域で自分らしい生活を続けるためには、
地域が一体となり、高齢者の生活環境を包括的に
サポートしていくことが大切です。
介護予防という考え方、そして介護予防を支える
各種サービスについて解説していきます。

介護予防とは

介護予防の目的

  • 高齢者が要支援・要介護状態になることを予防する
  • 要介護状態等となっても、それ以上症状が悪化することを防ぎ改善を図る
加齢による筋力や体力の衰えに加え、他者とのかかわりあいが減り日常生活の活動レベルが低下することは、将来的に要介護状態等になることの一因となります。
できるだけ長く健康かつ生きがいを持ってすごすためには、健康な時期から、積極的に介護予防に取り組んでいくことが大切です。

介護度を悪化させないためには予防が重要

軽度介護であっても、要支援1の3割、要支援2の2割の方は、1年後の介護度が重度化することがわかっています。そのため、介護予防に積極的に取り組み、介護度の悪化を防ぐことが大切です。

要介護(要支援)状態区分別に見た介護度の変化別割合

公的介護保険制度では、介護度の軽い人を対象に介護度が悪化しないための介護予防のサービスがあります。 お住まいの地域で行われているサービスを活用し、健康で自立した生活を送りましょう。

主な介護予防サービス

介護予防サービスとは、要支援者や介護を必要としない自立した高齢者を対象に公的機関が提供している自立支援サービスです。将来、介護が必要な状態になっても自立した自分らしい生活を営むことができるよう、市区町村が主体となってサポートします。

一般介護
予防事業

65歳以上の人全員が対象のサービス。全ての高齢者が自立して自分らしく生活するため、体操教室や集いの場を利用することができます。

介護予防・
生活支援サービス事業

要支援1・2 およびサービス事業対象者※が利用できるサービス。
自立した生活を送るためのアドバイスや支援を受けられます。

生活機能の低下がみられ、要支援状態となるおそれがある高齢者

介護予防給付による
サービス

要支援1・2 の人が対象のサービス。
介護保険を利用してリハビリや訪問介護などが受けられます。

上記3つの介護予防サービスのうち、
65 歳以上の人全員をサービス対象とする
「一般介護予防事業」について
具体的な取り組み例をみていきましょう

一般介護予防事業の取り組み例

一般介護予防事業では、自治体が地域住民や民間サービスと連携し、全ての高齢者が自立して自分らしく生活できるサービスを提供しています。高齢者の運動機能や栄養状態といった心身機能の改善に加え、日常生活の活動を高め家庭や社会への参加を促すために、住民運営の集いの場を提供するなどの取り組みが行われています。全ての第1号被保険者(65 歳以上の人)およびその支援のための活動に関わる人が対象です。

介護予防教室

チェックリストによる今の自分の健康状態のチェック、介護予防に関する基礎知識講座、自宅で簡単にできる筋力アップ体操の紹介と体験、などが行われます。

文化講座(趣味活動)

外出が億劫になった、日中は一人ですごしているといった方に対して、趣味や仲間作りの場として文化講座が提供されています。

シニア体操教室

筋力アップや転倒防止を目的とした体操教室。定期的な開催により運動を習慣化する目的もあります。地域によっては理学療法士のアドバイスもあります。

集いの場(地域サロン)開催

茶話会や食事会といった集いの場の開催により、交流の場を提供します。交通安全、オレオレ詐欺の注意・呼びかけなど啓発の場として開催されることもあります。

どこに相談すればいいの?

介護予防サービスに
関する相談は、
地域包括支援センターに
問い合わせましょう。

地域包括支援センターには、保健師、社会福祉士、介護支援専門員等が在籍しており、要支援者に提供する介護予防サービスの調整や、要支援・要介護に該当しない人への介護予防サービスの相談・計画等を行うことができます。対象となる高齢者の住む場所によって担当のセンターが決まっています。どこにあるか分からない場合は、市区町村のウェブサイトを確認する、介護保険担当窓口に問い合わせるなどしましょう。

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