老後をどう考える?
年代別アドバイス

40代で介護保険は必要?
民間介護保険の必要性と老後資金の準備方法


「40代で老後の準備はどのようにはじめたらよいのか」、「公的介護保険だけで介護の費用はまかなえるのか」と気になる人もいるでしょう。

老後の不安は「健康」と「お金」に関する内容が大部分を占めており、不安を軽減するためにも40代から老後の生活を見据えて備えておくことが重要です。

本記事では、40代からできる老後の準備や、介護に必要な費用、民間介護保険について解説します。40代で民間介護保険に入るべき人にも触れているので、ぜひ参考にしてみてください。

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不安な気持ちから、目を背けないことが大切

40代は体調の変化や健康への不安が生じやすくなります。健康についての会話が増えるのも、この頃からではないでしょうか。実際に、老後に不安を感じる人が最も多いのが40代です。

老後の生活設計が不安と感じている人

老後に不安を感じる人は、老後が近づくのに反比例して、40代をピークに50代、60代と減っていく傾向にあります。
不安を感じて老後に備えたことで、不安を安心へと変えている人も多いのではないでしょうか。
言い換えれば、不安を抱えたまま老後を迎えるのか、老後への備えを始めて安心して老後を迎えるのか、40代は決断のときともいえるでしょう。

40代といえば、仕事上で重責を担っている時期です。住宅ローンや子どもの教育費などの支出もあり、経済的な負担が大きいライフステージでもあります。

「正直、今のことだけで手一杯」という方も多いかもしれませんが、安心して老後を迎えるためには老後の準備もおろそかにはできません。

老後の生活、どんなことが不安?

 

老後生活に対する不安の内容

割合(40代)

公的年金だけでは不十分

84.0

日常生活に支障が出る

57.3

退職金や企業年金だけでは不十分

45.8

自助努力による準備が不足する

43.6

仕事が確保できない

37.8

配偶者に先立たれ経済的に苦しくなる

21.4

貯蓄等の準備資金が目減りする

18.9

出典:(公財)生命保険文化センター「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」

生命保険文化センターの調査によると、多くの人が老後の不安要素として「お金」や「健康」のことを考えているようです。つまり、老後資金の確保と病気やケガへの備えで、不安が大きく軽減されるでしょう。

40代からできる2つの老後準備

老後資金の確保と病気やケガへの備えの不安をなくすために、40代からできる老後準備を2つ紹介します。

「今」を優先しながら少しずつ「老後」に備える

老後に漠然とした不安を抱くものの、日々の生活に追われていると、なかなか腰を据えて考える機会がないかもしれません。

しかし、老後の生活はいずれやってきます。「今」の生活を優先しながら、「老後」に向けて無理のない範囲で少しずつ準備していきましょう。

具体的には、老後の収入と退職金、貯蓄で老後の生活費をまかなえるかどうかをシミュレーションすることからはじめます。

老後のおもな収入源は公的年金です。将来受け取れる年金見込額は、日本年金機構の「ねんきんネット」や「ねんきん定期便」で確認できます。

退職金の有無や金額の目安は、退職金制度や総務担当に確認して把握しておくとよいでしょう。

受け取れる年金や退職金額で老後の生活費をまかなえるのであれば問題ありませんが、難しければ不足分を今のうちから準備する必要があります。

以下のような方法も選択肢の一つです。
  • 家計を見直して支出をスリム化する
  • NISA(ニーサ)やiDeCo(イデコ)などの税制優遇制度を利用して、資産を形成する
  • 個人年金保険を活用して公的年金に上乗せで生活資金を準備する
NISAは少額から投資を行える少額投資非課税制度、iDeCoは確定拠出年金法に基づいて実施されている私的年金の制度です。個人年金保険は保険会社が提供する、セカンドライフの資金を計画的にそなえる年金保険です。

今は健康でも、将来介護が必要になる可能性も考慮する

生涯健康であることが理想ですが、自分や配偶者が要介護状態になる可能性もあります。

「介護を考えるのはまだ早い」と思うかもしれませんが、誰がいつ介護が必要な状態になるかは予測できません。だからこそ、病気や事故などで介護が必要になっても生活できるように備えておくことが必要です。

40代で民間介護保険に加入する必要性は?
介護費用は毎月約8.3万円、初期費用は約100万円

ここでは、40代で民間介護保険へ加入する必要性、要介護認定者の推移や費用、介護に備えるべき時期を解説します。

誰にでも介護が必要になる可能性がある

高齢化が進む日本では、介護は誰にでも起こり得る身近な問題です。

生命保険文化センター「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、40代では90%以上の人が「自分の介護に対して不安を感じる」と回答しています

実際に介護が必要となる人は年々増加しており、要支援・要介護認定者数は2020年で約681万人で、2030年には約928万人となり65歳以上の約5人に1人※1に上る見通しです。
 

※1厚生労働省「第92回社会保障審議議会介護保険部会資料」および「介護保険事業状況報告の概要」(令和5年10月暫定版)」より当社推計(第1号被保険者に対する65歳以上の認定者数の割合を使用)

※2厚生労働省「令和3年介護保険事業状況報告(年報)」

※3厚生労働省「令和3年介護保険事業状況報告(年報)」および「第55回社会保障審議会介護保険部会資料」より当社推計

 

厚生労働省「2022(令和4)年 国民生活基礎調査」

また、介護が必要となったおもな原因は、第1位は認知症、第2位が脳血管疾患です。
生活習慣病を含む疾患が全体の約40.8%を占めており、介護は高齢者だけの問題ではないことがわかります。

介護にはお金がかかる

介護に必要な費用の目安も確認しておきましょう。

生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、平均介護期間は61.1ヵ月、平均介護費用は月額8.3万円(公的介護保険制度における介護サービスの自己負担含む)です。

また、必要な介護用品を自費で購入した場合の初期費用は約100万円です。

工事費別途

(公財)生命保険文化センター「介護保障ガイド」(2021年7月改訂版)をもとに当社にて試算

車椅子、特殊寝台、移動用リフト、ポータブルトイレ、手すり、階段昇降機を購入した場合の一例

公的介護保険の給付対象となる場合があります。

在宅での介護が難しい場合は、老人ホームなどに入居する可能性もあるでしょう。全国の有料老人ホームの入居時費用の相場は、約半分の施設で200万円を超えています。

株式会社LIFULL senior 老人ホーム検索サイト
LIFULL 介護」より 2023年11月30日時点の都道府県単位での平均入居別費用相場から当社にて試算

費用は目安であり、地域・施設により異なります。

このように、介護には毎月の費用と、介護初期のまとまった費用がかかることを押さえておく必要があります。

公的介護保険制度で介護サービスの自己負担額は1~3割に軽減されますが、それでも毎月平均8万円以上の経済的負担があります。貯蓄などでカバーしきれない場合は民間介護保険への加入の必要性も高まるでしょう。

6世帯に1世帯が民間介護保険に加入している

先述の生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、介護保険・介護特約の世帯加入率は16.7%です。約6世帯に1世帯が民間介護保険に加入していることになります。

この加入率は増加傾向にあり、民間介護保険の必要性が高まっていると考えられます。
  

FPの考える「介護に備え始めるべき年齢」は「40代」である

「介護の経済的な備えを始める時期」に関して、FP(ファイナンシャルプランナー)100人を対象に実施した当社のアンケート調査では、「40代から」という回答が最も多くなりました。

また、40代から民間介護保険に加入することで50代、60代で加入するより月々の保険料を抑えられるでしょう。

早めに将来の介護に備えておくと安心です。

40代で民間介護保険に加入すべき人は?

民間介護保険は介護の経済的な備えに有効ですが、特に40代で民間介護保険に加入すべき人を解説します。

十分な貯蓄がない人

前述のとおり、介護には毎月の介護費用だけでなく、まとまった初期費用が必要となる可能性があります。

これらの介護費用を公的介護保険制度や貯蓄、年金収入などでまかなえない場合は、民間介護保険の必要性が高いといえます。反対に、まとまった資金が十分ある場合は民間介護保険の必要性は低いでしょう。

介護が必要になったときにサポートが得られない人

周りのサポート体制も考慮すべき点です。介護が必要になったときに、周りのサポートが得られない場合は施設入居が必要になる可能性があります。

生命保険文化センター「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、毎月の平均介護費用は在宅介護の場合4万8,000円ですが、施設の場合は12万2,000円となっています。

施設入居の可能性が高いと考えられる人は、民間介護保険に加入しておくと経済的負担を軽減でき、安心でしょう。

自分のことはもちろん、親のケアも

40代では、高血圧や糖尿病、更年期障害など、自分の健康に不安が出始める時期ですが、同時に親世代では、病気が発覚したり、認知に関する不安が出始めたりする時期でもあり、親と子の病が重なる時期となります。
自分のことはもちろん、万が一、親が認知症になったり、介護が必要になったりしたときのための備えは十分でしょうか?
備えがあれば、より広い選択肢のなかから希望の治療や介護を選べ、豊かな老後を過ごせることにつながります。
“万が一”が起こる前に、ぜひ一度、親の備えについて確認してみましょう。

「今」を優先しつつ、少しずつ「老後」の準備をしよう


40代は自分の仕事や健康のこと、子育てや親の介護など家族のこと、で手一杯になりがちな時期です。日々の生活に追われて、老後の生活のことは後に回したくなるかもしれません。

しかし、老後の生活はいずれやってきます。「今」の生活を優先しつつ、無理ない範囲で「老後」の準備をはじめましょう。

老後の不安は「健康」と「お金」が大部分を占めています。生涯健康に過ごせるのが理想ですが、誰がいつ、介護が必要になるかはわかりません。要介護者は増加傾向にあり、介護には経済的な負担もあります。

貯蓄や年金収入などで介護費用をまかなえそうにない人、介護が必要になった場合に周りのサポートを得られなそうな人は民間介護保険の活用も検討しましょう。

  
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将来に備えて保険加入をご検討中の場合は、ぜひご活用ください。

CFP 齋藤 彩

急性期総合病院において薬剤師として勤める中、がん患者さんから「治療費が高くてこれ以上治療を継続できない」と相談を受けたことを機にお金の勉強を開始。ひとりの人を健康とお金の両面からサポートすることを目標にファイナンシャルプランナーとなることを決意。現在は個人の相談業務・執筆活動を行っている。

資格:1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(Certified Financial Planner)

公開日:2024年10月17日

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