老後をどう考える?
年代別アドバイス

50代で知っておきたい介護保険の必要性と選び方


「50代でまだまだ健康だが、民間介護保険に加入する必要はあるのだろうか」と疑問に思っている方は多いのではないでしょうか。

50代は自身の老後が不安になる年代であると同時に、親の介護についても向き合う必要のある時期です。そのため、民間介護保険について検討し、介護についての不安を軽減しておくとよいでしょう。

この記事では50代が民間介護保険について検討すべき理由や、民間介護保険に加入すべき人の特徴について解説します。また、民間介護保険の選び方も併せて解説するので、ぜひ参考にしてください。

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50代が民間介護保険について考えるべき4つの理由

50代は、まだまだ健康な人が多く、介護保険の必要性を感じていない人も多いのではないでしょうか。しかし実際には、民間介護保険に加入する人の割合は、50代でピークを迎えています。

以下では、50代が民間介護保険について考えるべき理由について解説します。

50代の約82%が老後に不安を感じている

令和5年に実施された金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」によると、老後の生活を「心配している」と回答した50代が82.3%を占めています。
最多の理由が「十分な金融資産がないこと」、次点で「年金や保険が十分ではないこと」でした。

自分自身の健康のため

50代は体の変化を感じることの多い年代です。加齢によって病気やケガのリスクが高まり、それが要因で思いがけず要介護状態になる可能性もあります。例えば、心筋梗塞や脳卒中といった突然の病気は、元気だと思っていた人にも急に起こり得ます。

そのため、民間の介護保険に早めに加入することで、こうしたリスクに備えておくことが大切です。もし要介護状態になっても、保険によって経済的な負担を軽減できるため、治療やリハビリに専念しやすくなります。また、家族にかかる負担も軽くなり、より安心して生活を送るための準備ができるでしょう。

保険料を安く抑えるため

民間介護保険に早めに加入することで、保険料を安く抑えることが可能です。保険料は加入時の年齢や健康状態などによって決まるため、若くて健康なうちに加入すると、月々の負担が軽くなる傾向にあります。

一方、高齢での加入や持病がある状態での加入では、保険料が上がったり、加入が難しくなったりすることもあります。

早い段階での加入は、将来の家計負担を抑えるうえでも重要です。保険料の負担を最小限にするために、できるだけ早めの加入を検討しましょう。

親の介護における金銭面の負担を減らすため

50代は、自分自身の介護リスクだけでなく、親の介護を担うリスクも高くなります。特に親の介護が必要な状況になると、家族全員に負担がかかってしまう場合もあります。

親を民間介護保険の保障対象にすることで、親に介護が必要となった際、一時金を受け取れるタイプがあります。

これにより、介護にかかるコストの心配を軽減でき、精神的な負担も軽くなるでしょう。

50代から始めておきたい老後準備

老後を快適に過ごすために必要とされる金額は、年々増加の傾向にあります。ここでは、50代から始めておくべき老後の準備について解説します。

資金を蓄えておくのはもちろんですが、健康を維持して病気や介護を予防することも重要なポイントです。

出費を抑えて預貯金をアップ

50代は、老後の資金を蓄え始めるチャンスです。万全の体制で老後を迎え、そして充実した老後を送るためにも、今までの暮らしを見直して、徐々に生活にかかる支出を抑えることを心がけましょう。

金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」によると、50代で「生活設計を立てている」と回答した人は30.5%に止まり、「今後、立てるつもり」という人が47.5%でした。
住宅ローン返済中の方は繰り上げ返済を検討するなど、将来の生活設計を立てて、家計簿でしっかり管理することをおすすめします。

できる限り働き続けることが理想

収入の確保、健康維持のためにも、仕事を継続することをおすすめします。やりがいを持って働くことは、ハツラツと暮らすことにもつながります。

また、退職後には、家の中に引きこもらず、散歩を日課にするなど、無理のない運動を続けて、健康維持を心がけることも大切です。
仕事継続は、収入確保と健康維持の一石二鳥につながります。

介護や認知症の備えとして、民間の介護保険に加入

もちろん、生涯健康であることが理想ですが、老後を考える際には、将来、自分やパートナーが要介護状態になったり、認知症になったりする可能性を前提に考えることが大切です。

病気や、事故によるケガなど、万が一のことがあっても生活ができるように老後のための備えをしておく必要があるのです。

50代で民間介護保険を検討すべき人の特徴3つ

50代で民間介護保険への加入が推奨されるのは、どのような人でしょうか。ここでは、50代で民間介護保険に加入すべき人の特徴を3つ解説します。

ご自身が下記の特徴に当てはまるか検討し、民間介護保険に加入するための参考にしてください。

収入や貯蓄に不安がある人

50代になると、仕事のリタイアが視野に入ってきます。このタイミングで、将来に備えた資金計画を見直してみてはいかがでしょうか。

介護に必要な費用は、平均で総額約500万円といわれています。介護期間や介護を行う場所によっても費用は異なるので、場合によってはさらに費用がかかる可能性もあります。ご自身の資産状況によっては、非常に大きな負担となってしまうでしょう。

もし収入や貯蓄に不安がある場合は、民間介護保険の加入を検討することをおすすめします。民間介護保険に加入していれば、高額な介護費用にも備えられ、経済的な負担を軽減することが可能です。

家族からの介護を受けられない人

独身や一人暮らし、または配偶者が高齢な家庭では、家族からの介護支援を受けることが難しい場合があります。特に、要介護状態になった際に周りに頼れる人がいないという状況は、非常に不安なものです。

このような場合は、民間介護保険への加入がおすすめです。民間介護保険に加入することで、介護サービスを利用したり、施設入居をしたりするための資金を確保できます。

これにより一人で不安を抱え込まず、安心して老後を迎えることが可能です。

親の介護費用に不安がある人

50代の多くは、自分自身の介護だけでなく、親世代の介護問題にも直面する時期です。生命保険文化センターの調査によると、月々の介護費用の平均は8.3万円、介護に要した期間の平均は5年1カ月となっています。月々の費用の合計だけでおよそ500万円の費用が必要な計算です。
親の介護費用に不安がある場合は、民間介護保険を利用することで、費用の助けとなるでしょう

50代の民間介護保険の選び方

まだまだ健康な人が多い50代では、民間介護保険の選び方に迷ってしまう人が多いのではないでしょうか。ここでは、民間介護保険を選ぶポイントについて解説します。

自身の健康状態と相談し、備えたいリスクに応じて選択しましょう。

貯蓄型か掛け捨て型かで選ぶ

民間介護保険を選ぶ際、まず「貯蓄型」か「掛け捨て型」を選ぶことが重要です。

貯蓄型は介護保障に加え、死亡保障や年金保障がセットになっており、要介護状態にならなくても死亡時や解約時に保険金などを受け取れる安心感があります。デメリットとしては、保険料が割高で、解約時の返戻金が支払った保険料を下回る可能性があります。

一方、掛け捨て型は介護保障に特化し、保険料が安く手軽に加入できるのが魅力です。ただし、所定の介護状態にならない限り給付金が受け取れないというデメリットがあります。

自身のリスクと保険料の負担とを考慮し、貯蓄型か掛け捨て型かを選択しましょう。

終身型か定期型かで選ぶ

民間介護保険は、保険期間から「終身型」と「定期型」に分けられます。

終身型は加入者が亡くなるまで保障が続くため、長期的な安心感が得られますが、保険料は定期型より高くなることが一般的です。長期間にわたる保険料の支払いが必要となり、経済的負担が大きくなるリスクがあります。

一方、定期型は指定された期間のみ保障が提供されます。定期型は保険料が比較的安価で、ライフステージに応じて柔軟に見直しが可能です。ただし、期間終了後には保障も終了し、新たに保険に入りなおす必要があります。

特に50代では健康や経済状況が変わる可能性があります。どちらを選ぶかは、必要な期間や保険料、自身の健康状態などを考慮して決定しましょう。

受け取り方法で選ぶ

民間介護保険の給付金の受け取り方法には「一時金タイプ」、「年金タイプ」、「併用タイプ」の3つがあります。

一時金タイプは支払要件に合致した際にまとまった金額を一度に受け取れます。初期の費用に対応しやすい反面、長期の介護には資金が不足する可能性があります。

年金タイプは定期的に設定した額を受け取れるため、長期的な介護費用に対応しやすいですが、まとまった初期費用が必要な場合には不向きです。

併用タイプは両方のメリットを兼ね備えており、柔軟に対応できますが、保険料が高くなる傾向があります。

老後に必要な費用について具体的に検討し、どのような費用に備えたいかで選択するとよいでしょう。

保険金の支払い条件で選ぶ

保険金の支払い条件としては、おもに「公的介護保険連動型」と「独自型」の2つがあります。

公的介護保険連動型は、公的介護保険の要介護認定に基づいて給付されるため基準が明確ですが、手続きに時間がかかり給付が遅れる場合があります。

一方、独自型は保険会社の基準で給付が行われます。手続きが早いという利点がありますが、基準が保険会社ごとに異なるため、事前の確認が必要です。

保険金の受け取りスピードや自身の健康状態、保障内容を考慮して選ぶことが重要です。

自分だけでなく家族のためにも民間介護保険の検討を


50代は、自身の老後について考えるだけでなく、親の介護についても考える必要がある年代です。介護は金銭的な負担はもちろん、精神的なストレスも大きいものです。

民間介護保険の利用は金銭的な負担だけでなく、精神的な負担の軽減にも役立ちます。

不安を一人で抱え込むのではなく、まずは自身の生活設計を行い、必要に応じて民間介護保険への加入を検討してみてはいかがでしょうか。

CFP 齋藤 彩

急性期総合病院において薬剤師として勤める中、がん患者さんから「治療費が高くてこれ以上治療を継続できない」と相談を受けたことを機にお金の勉強を開始。ひとりの人を健康とお金の両面からサポートすることを目標にファイナンシャルプランナーとなることを決意。現在は個人の相談業務・執筆活動を行っている。

資格:1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(Certified Financial Planner)

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