老齢年金には国民年金から支給される「
老齢基礎年金」と、厚生年金から支給される「
老齢厚生年金」があります。
国民年金には20歳から60歳の方が加入し、支給金額は加入期間が影響します。
厚生年金は企業に勤めている方が加入し、支給金額は加入期間や年収により異なります。
例えば、自営業や専業主婦/専業主夫など企業に勤めていない方の場合、老齢基礎年金のみの支給となります。
夫婦で二人とも企業勤めである場合、夫婦でどちらかが基礎年金のみの支給である場合、夫婦ともに基礎年金のみの支給である場合、それぞれの年金支給額は下記の通りです。
・夫婦ともに企業勤めの場合の老齢年金の支給額
月額14万6,145円(厚生年金+国民年金)×2=29万2,290円
・夫婦どちらかが基礎年金のみの場合の支給額
月額14万6,145円(厚生年金+国民年金)+月額5万6,358円(国民年金)=20万2,503円
・夫婦どちらも基礎年金のみの場合の支給額
月額5万6,358円(国民年金)×2=11万2,716円
出典)厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業年報(令和2年度)」より平均受給額を元に算出
夫婦とも老齢厚生年金の平均額を受給する場合、年金収入は月約29万円になります。
一方、夫婦どちらも基礎年金のみを受給する場合、年金収入は月約11万円となり、収入に大きな差が生じることがわかります。
厚生年金の受給がなく、年金の額に不安がある場合、貯蓄を多めにする、仕事をできるだけ長く続ける、貯蓄を運用して老後資金を増やしていく等の方法を検討したほうが良いでしょう。
生命保険文化センターの調査では、「公的年金で老後の家計がまかなえると思うか」という問いに対し、「まかなえるとは思わない」(”あまりそうは思わない”と”まったくそうは思わない”と回答した人の合計)が78.7%という結果になりました。
多くの方が、公的年金だけでは不足するだろうと感じていることがわかります。
【公的年金で老後の家計がまかなえると思うか】
出典)生命保険文化センター「生活保障に関する調査」令和元年度
生命保険文化センターが「公的年金以外の夫婦の老後の必要生活資金月額(65歳以降の必要額)」はどの程度だと思うかを調査したところ、「平均16.1万円」という結果になりました。
この場合、年額では193.2万円、20年間で合計3,864万円が必要、ということになります。
【公的年金以外の夫婦の老後の必要生活資金月額(65歳以降の必要額)】
出典)生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」令和3年度
退職金は大きな金額をまとめて受け取れるため、老後資金として活用しやすいものとなります。ただ、ご自身がどのくらいの退職金を受け取れるのか知らない、という方も多いのではないのでしょうか。
たとえば勤続20年以上・45歳以上の方の、定年退職した場合の退職金平均額は以下のとおりとなっています。
・大学・大学院卒(管理・事務・技術職):1,983万円
・高校卒(管理・事務・技術職):1,618万円
・高校卒(現業職):1,159万円
※金額は退職一時金と退職年金(年金現価)の合計。
出典)厚生労働省「就労条件総合調査(平成30年)」
企業規模などによっても金額が大きく変わりますので、退職金が見込まれる方は、ご自身の退職金はどの程度になりそうか、平均値を参考にイメージしておくと良いでしょう。
公的年金に加えて収入を確保するために、会社員の方は「厚生年金基金」、自営業の方は国民年金に上乗せできる「国民年金基金」など様々な手段があります。
会社員の方と自営業の方とで、選択肢が異なります。