清拭や洗髪
洗髪は基本的に仰向けの状態で行ないます。本人の好みに合わせた温度のお湯を用意し、シャンプーで頭皮をマッサージしながら洗いましょう。その後お湯ですすぎ、タオルで水分を拭き取り、ドライヤーで乾かすまでが一連の流れです。
洗髪時にはおもに以下の点に気を付けましょう。
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寝たきりの高齢者のなかには、温度に鈍感になってしまっている方もいるため、お湯やドライヤーの使用時のやけどに注意する
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身体を冷やさないため、室温は24度前後に設定し、さらに衣類を濡らさないようにフェイスタオルを首に巻く
清拭時のポイントは以下のとおりです。
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事前に排泄を済ませておく
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身体の末端から心臓に向かって拭く
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プライバシーへの配慮や身体の冷えなどを考慮し、服を脱がせたあとはバスタオルで覆うと良い
食事の介助
食事の際は、上半身を90度に近い状態まで起こすと、誤嚥防止となります。食べ物を口に運ぶ際は、スプーンに乗せる量に気を付けてください。飲み込む力が弱いため、少なめの量にしましょう。
食事を口に運ぶペースは焦らず、しっかりと飲み込んだのを確認しながらゆっくりと進めてください。
食事中にむせることが多い場合、食べ物の形態を変えます。例えば、ごはんをお粥に変えたり、野菜を細かく刻んでとろみを付けたりするとよいでしょう。食事が終わったら口の中をゆすいだり、歯磨きをしたりして、口内を清潔に保ちます。
排泄の介助
自身でトイレに行ける場合は、自分でできることは可能な限り自身で行なうように促しましょう。そうすることで自尊心の低下を防いだり、筋力の低下を予防したりするメリットがあります。
一方、トイレに行くのが困難な場合は、排泄をルーティン化するとよいでしょう。例えば、食後や寝る前など毎日決まったタイミングでトイレに行くようにすれば、失敗が少なくなります。また、排泄の際はポータブルトイレやおむつを使いましょう。ポータブルトイレはベッドの横に置いておけば、すぐに使えて安心です。
ただし、臭いの問題があるため、使用後は早めに排泄物を処理しなければなりません。おむつの使用は、意思の疎通が難しくなり、尿意や便意が伝えられなくなった場合の最終手段にしてください。
排泄の介助は、介護者と被介護者の身体的・精神的負担が大きいため、プライバシーや自尊心への配慮を踏まえて相談しながら行なうようにしましょう。
床ずれの予防
まず重要なのは、定期的に体位変換を行なうことです。体位変換の際には、シーツや服のシワを伸ばすようにしましょう。細かなシワでも、皮膚を圧迫して床ずれの原因になり得るからです。
また、床ずれ防止のマットレスや、自動で体位変換できる電動ベッドなどを取り入れるのもよいでしょう。公的介護保険でレンタルできる場合もあり、負担も少なくなります。