老人ホームの選び方は?
後悔しないために押さえておきたい8つのポイント


老人ホーム選びでは、施設の種類や費用、提供されるサービス内容など、検討すべき点が多く、何を基準に選べばよいか悩む方も少なくありません。本人の将来の暮らしや家族の負担を考えるほど、判断に迷うようになるでしょう。

しかし、選択肢が多い状況でも、判断の軸となるポイントを整理することで、選びやすくなります。本記事では、老人ホームを選ぶうえで押さえておきたい8つの基本ポイントをはじめ、状況別の考え方や優良な施設の見分け方、選ぶ際の注意点までをわかりやすく解説します。

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老人ホームの選び方8つのポイント

 
老人ホームを選ぶ際は、施設の種類や費用だけでなく、受けられるケア、職員の体制や生活環境など、複数の視点から検討することが大切です。以下では、老人ホーム選びで特に押さえておきたい8つのポイントを解説します。

選び方1|種類で選ぶ

老人ホームは、介護の必要度や生活の自由度によって、適した施設の種類が大きく異なります。どのような支援が必要なのか、どの程度自立した生活を続けたいのかを踏まえると、選ぶべき施設タイプが見えてくるでしょう。

また、老人ホームの種類ごとに、提供されるサービスの範囲や介護体制は明確な違いがあります。日常生活でどこまでのサポートが必要であるかを、あらかじめ整理しておくことが大切です。

まずは、代表的な老人ホームの種類と、それぞれの特徴や向いている人を把握し、自分や家族の状況に合った選択肢を絞り込んでいきましょう。

老人ホームの種類

特徴

向いている人

介護付き有料老人ホーム

介護スタッフが常駐し、介護サービスを施設内で受けることが可能

日常的な介護が必要で、安心感を重視したい人

住宅型有料老人ホーム

生活支援はあるが、介護は外部サービスを利用

自立〜介護度が軽度で、自由度を保ちたい人

サービス付き

高齢者向け住宅

見守りや安否確認があり、住環境は比較的自由

一人暮らしに不安があり、見守りを求める人

グループホーム

少人数制で、認知症ケアを中心とした生活環境

認知症があり、落ち着いた共同生活を望む人

特別養護老人ホーム

介護保険法上、公的施設に位置付けられているため、費用負担を比較的抑えられる

費用を抑えつつ、継続的な介護を必要とする人

ケアハウス(自立型)

自立した生活を前提とした高齢者向け施設

身の回りのことは自分でできる人


選び方2|費用で選ぶ

老人ホームを選ぶ際は、入居時にかかる初期費用だけでなく、継続して発生する月額費用にも注意が必要です。月額費用には、居住費や食費、管理費などが含まれるのが一般的で、施設の種類やサービス内容によって金額に差があります。

また、介護度が上がった場合には、介護サービス費や追加費用が発生し、月々の負担が増える可能性もあります。そのため、現在の収支だけで判断するのではなく、要介護度の将来的な変化も見据え、無理なく支払いを続けられるかを検討することが大切です。

選び方3|条件で選ぶ

年齢や介護度など、施設ごとに定められた入居条件は、事前に確認しておきたいポイントです。条件を満たしていないと入居を断られるケースもあるため、早い段階で把握しておくと安心です。

また、医療的な対応や持病への配慮をしてもらえるかどうかも、重要な判断材料になります。特に、定期的な通院や服薬管理が必要な場合は、サポート体制や医療機関との連携状況を確認しましょう。

老人ホームのなかには、認知症の有無や進行度によっては入居できない施設もあります。認知症の状態を踏まえ、適した支援を受けられる施設を選ぶことが重要です。併せて、契約内容や退去条件など、入居後にかかわるポイントも事前に把握しておけば、将来的なトラブルを防ぎやすくなります。

選び方4|ケア・リハビリ体制で選ぶ

ケアやリハビリ体制は、老人ホーム選びで重視したい要素の一つです。介護スタッフや看護師の配置状況のほか、日常生活でどの程度のサポートが受けられるかを確認しましょう。人員体制や専門職員のかかわり方は施設ごとに異なり、入居後の生活のしやすさにも影響します。

併せて、入居後に受けられるリハビリや、身体機能の維持・低下予防に向けた取り組みの内容にも目を向けましょう。定期的なリハビリや状態に応じた支援の有無は、将来を見据えた選択をする際の判断材料になります。

さらに、夜間や緊急時の対応体制についても確認が必要です。急な体調変化が起きた際の対応や、医療機関との連携状況を事前に確認しておけば、入居後の不安を軽減できます。

選び方5|設備で選ぶ

設備面は、入居後の暮らしやすさに直結する重要なポイントです。居室や共用スペースが本人にとって過ごしやすい設計になっているか、日常生活を安心して送れる環境かどうかを見極めましょう。

併せて、転倒防止やバリアフリーなど、安全面への配慮も重視したい点です。手すりの設置状況や段差の有無、車いすでの移動のしやすさなどは、年齢や身体状況の変化を考えるうえでも重要です。

さらに、面会スペースや共用設備の充実度にも目を向けておくと、家族とのかかわり方を具体的にイメージしやすくなります。共用スペースの使い方や雰囲気を確認することで、入居後の生活をより現実的にとらえられるでしょう。

選び方6|食事で選ぶ

老人ホームでの暮らしを快適に続けるためには、毎日の食事内容も検討する必要があります。施設を比較する際は、献立表を通して、食材やメニューに偏りがないか、温かいおかずは温かい状態で提供されているかなど確認しましょう。

また、体調不良時や療養が必要な場合に、療養食や刻み食などへ柔軟に対応できるかも押さえておきたい点です。管理栄養士がかかわっている施設であれば、栄養面への配慮も期待できるでしょう。

選び方7|雰囲気で選ぶ

老人ホームの雰囲気は、入居後の過ごしやすさや安心感に大きく影響します。設備やサービス内容が整っていても、施設全体の空気感が合わなければ、日々の生活にストレスを感じることになりかねません。

見学の際は、建物の印象だけでなく、入居者の表情やスタッフの対応も確認することが大切です。入居者が穏やかに過ごしているか、スタッフが自然な声かけや丁寧な対応をしているかなど、細部に目を向けるとよいでしょう。

スタッフの身だしなみや施設内の清潔感なども、確認したいポイントです。こうした点からも、入居者に対する施設の姿勢が読み取れます。

選び方8|立地で選ぶ

老人ホームを選ぶ際は、入居後の生活や家族の住居との距離を踏まえて、立地を確認する視点も欠かせません。家族が無理なく面会できる距離にあれば、継続的な交流につながります。

併せて、周辺に医療機関やスーパー、薬局など、生活に必要な施設がそろっているかも確認しましょう。急な体調不良の際でも対応しやすい環境であれば安心です。

一方で、利便性だけで立地を決めてしまうと、騒音や人通りの多さがネックになる可能性もあります。日々を落ち着いて過ごせるかどうかにも留意し、総合的に検討しましょう。

【状況別】適切な老人ホームの選び方3パターン

 
老人ホームを選ぶ際は、年齢や介護度などの条件だけでなく、本人の状態や優先したい暮らし方によっても適した施設が変わります。ここでは代表的な3つのパターンに分け、状況に応じた老人ホームの選び方を解説します。

認知症がある場合|介護付きやグループホームがおすすめ

認知症がある場合は、日常生活を支えるサポート体制や、継続的な見守りが整った施設を選ぶことが大切です。症状の進行により、判断力や生活動作に不安が生じる可能性もあるため、安心して過ごせる環境であるかを事前に確認しましょう。

介護付き有料老人ホームは、介護スタッフが常駐しており、日常的な介助に加えて急な体調変化にも対応しやすい点が特徴です。グループホームは、少人数制で家庭的な雰囲気のなか、認知症ケアに配慮した支援が行われるケースが多く、落ち着いた生活を望む方に向いています。本人の状態や性格を踏まえ、無理のない施設選びを意識しましょう。

プライベートを重視したい場合|住宅型・サービス付きがおすすめ

プライベートを重視したい場合は、自立度が高く、自分らしい生活空間を大切にできる住環境を基準にして選ぶとよいでしょう。日々の暮らしをできるだけ自分のペースで続けたい方にとって、自由度の高さは重要なポイントになります。

住宅型有料老人ホームは、個室を中心とした構成のところが多く、生活スタイルを大きく変えずに済む施設です。見守りや安否確認などの最低限の支援を受けながら、外出や生活の自由度を保ちたい場合は、サービス付き高齢者向け住宅が適しています。

いずれも、介護が必要になる前の段階でも利用しやすく、安心感と自立した暮らしを両立したい方におすすめです。

費用を抑えたい場合|ケアハウスや特養がおすすめ

老人ホームでは、入居後も継続的に費用が発生するため、長期的に支払いを継続できる金額かを意識することが大切です。費用を抑えたい場合は、公的支援が手厚く、月額費用の負担が比較的軽い施設を中心に検討しましょう。

ケアハウスは生活支援を受けながら暮らせる住まいで、民間施設に比べて費用負担を抑えやすい傾向があります。特別養護老人ホームは公的施設として運営されており、費用体系が比較的明確で、入居一時金が不要なケースもあります。介護度が高い方でも、長期入居を前提に利用しやすい点が特徴です。

優良な老人ホームの見分け方3ポイント

 
老人ホームが優良であるかは、設備の充実度や費用の安さだけで判断するのではなく、スタッフの対応や日常の運営姿勢にも目を向けることが重要です。ここでは、見学時や比較検討の際に確認しておきたいポイントを具体的に解説します。

スタッフが信頼できる

スタッフの対応は、入居者や家族に対して施設がどのように向き合っているかを見極めるポイントです。優良な老人ホームは、説明がわかりやすく、質問に対しても丁寧に答えるなど、やり取りのなかに一貫した誠実さが感じられる傾向があります。

見学時の対応だけで判断せず、問い合わせ時の電話応対や資料請求への返答の仕方など、日常的なやり取りにも目を向けてみましょう。また、介護スタッフだけでなく、看護師や受付スタッフ、事務担当者など、施設全体の対応を確認することも大切です。

職種に関係なく、落ち着いた態度や配慮のある言葉遣いが見られる施設であれば、安心して任せられるでしょう。

入居後の具体的な提案がある

見学や面談の際に、入居後の生活イメージやケアの進め方について具体的な説明がされることも、優良な老人ホームと判断できるポイントの一つです。日々の過ごし方や介護体制が明確であれば、入居後の暮らしをイメージしやすくなります。

生活リズムやリハビリの進め方、介護プランの内容など、本人の状態や希望を踏まえた提案があるかも確認することをおすすめします。画一的な説明ではなく、個別性を意識した対応が感じられる施設は信頼できるでしょう。

また、不安や要望に対する姿勢も重要です。一つひとつの疑問に誠実に向き合い、わかりやすい説明をしてくれる施設は、入居後も相談しやすく、良好な関係を築ける可能性が高まります。

清掃が行き届いている

老人ホームの運営体制や衛生管理の実情を把握するには、清掃状況も押さえておきたいポイントです。見学時には、居室や共用スペースが清潔に保たれているかを確認しましょう。

床や手すり、テーブル周りなど、利用頻度の高い場所に汚れが残っていないかもチェックする必要があります。特に、トイレや浴室などの水回りは、衛生管理の状況が表れやすい場所です。臭いや滑り、カビなどが無いかを確認し、施設全体の運営姿勢を読み取りましょう。

老人ホーム選びの注意点3つ

 
老人ホーム選びでは、条件やサービス内容を比較するだけでなく、入居後の生活を具体的にイメージしながら検討する視点も欠かせません。環境や支援体制が整っていても、実際の暮らしに合わなければ満足度は下がってしまいます。

ここでは、事前に押さえておきたい注意点3つについて解説します。

見学や体験を活用する

入居後のミスマッチやトラブルを避け、快適な生活を送るには、見学や体験の活用が役立ちます。パンフレットやホームページの情報だけではわかりにくい施設の雰囲気や入居者の様子、スタッフの接し方などを、自分の目で確かめられる点がメリットです。実際に足を運ぶことで、入居後の生活をより具体的に思い描きやすくなります。

併せて、過去に発生したトラブルへの対応事例や、その後の改善内容を尋ねるのもおすすめです。対応の流れから、施設の姿勢を把握できます。また、家族や入居者の意見が、どのように運営へ反映されているかを確認することもできるでしょう。

費用とサービス内容のバランスを考える

老人ホームは長期間にわたって利用するケースが多いため、目先の費用だけでなく、将来的な支出も踏まえて検討することが大切です。居住費用は抑えられても、介護サービスや生活支援が別料金であるなど、結果的に負担が大きくなるケースもあります。

老人ホームを選ぶ際は、月額費用に含まれるサービス内容や介護支援・医療連携の範囲などを事前に整理しておきましょう。基本料金とオプション費用の内訳を把握することで、想定外の出費を防ぎやすくなります。

入居する本人の意向を大切にする

入居先を選ぶ際は、家族の判断だけで進めるのではなく、本人の気持ちや考えを尊重しましょう。老人ホームに対して抵抗や不安を抱く方も多く、十分な説明がないまま話を進めると、入居後のストレスや不満につながりかねません。

不安に感じている点や希望する生活スタイルを事前に聞き取り、本人が納得できる形で選択肢を提示することが大切です。

また、施設の雰囲気や生活環境についても、できるだけ本人に直接確認してもらいましょう。見学や体験を通じて安心感が得られれば、入居への前向きな気持ちが生まれやすくなります。本人の意向を軸に考える姿勢が、満足度の高い老人ホーム選びにつながるポイントです。

本人と家族にとって納得できる老人ホーム選びを


老人ホーム選びでは、種類や費用だけでなく、ケア体制や設備、食事、雰囲気、立地など、さまざまな視点から総合的に判断することが大切です。また、本人の状態や希望、将来的な介護の変化を見据えた選択により、入居後の満足度や安心感も大きく変わります。

長く安心して暮らすためにも、見学や体験を通して実際の生活を想像し、スタッフの対応や運営体制を確かめながら、本人と家族の双方が納得できる施設を選びましょう。

 
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将来に備えて保険加入をご検討中の場合は、ぜひご活用ください。

小玉 有紀[介護福祉士]

1986年生まれ。福祉系専門学校にて介護福祉士・介護事務士を取得。介護業務を経験。その後、生活相談員・ケアマネジャーとしても勤務。全国展開する有料老人ホームにてアセスメントツールの開発事業に携わる。また系列施設で社員研修の講師となる。現在も、ケアマネジャーとして勤務するかたわら、ライターとして活動中。

資格:介護福祉士・介護事務士・介護支援専門員

公開日:2026年2月6日

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