デイサービス(通所介護)にかかる費用はどのくらい?


デイサービスを利用したいと考えているけれど、費用や保険適用ができるかなどが気になり、利用に踏み切れない方も多いのではないでしょうか。

今回の記事ではデイサービスにかかる費用、公的介護保険の適用があるサービスや適用外のサービス、デイサービス利用時に自己負担額を減らせる制度について紹介します。

朝日生命では認知症介護などの経済的負担に備えられる介護・認知症保険をご提供しています。
詳しい資料はこちら

デイサービス(通所介護)とは

デイサービスとは「通所介護」ともいわれており、利用者に通ってもらい、日帰りで介護サービスを提供する施設をさします。要介護状態であっても、自宅でできるだけ自立した生活が送れるように、日常生活上に必要な世話や機能訓練を行います。

デイサービスでは、施設に通うことで利用者の孤独感を解消したり、心身機能の維持向上を目指したりすることを目的としています。また、日常生活の援助などをすることで、家族の介護負担を軽減することも大きな目的の一つです。

公的介護保険におけるデイサービスを利用できるのは要介護1~要介護5の認定を受けている65歳以上の高齢者または第二号被保険者で、要支援1・2の人は利用できません。要支援の場合には、公的介護保険適用の介護サービスではなく、地域が主体となって行う「介護予防・日常生活支援総合事業」の介護予防通所介護の利用が可能です。総合事業は、要支援認定を受けた人、65歳以上のすべての方が対象となります。

1回あたりのデイサービスの費用(自己負担額)

公的介護保険の自己負担割合が1割の方の場合、デイサービスの1回あたりの利用料は1,000円~2,000円程度です。なお、サービス利用料などは公的介護保険の適用になりますが、食事やおむつなど保険適用外の費用もかかり、その費用は全額自己負担となります。デイサービスの費用は、この2つを合わせた金額が請求額です。

ただし利用するサービスや施設によって料金は異なるので、詳細は施設の料金表などを確認するとよいでしょう。

公的介護保険が適用されるデイサービスの費用

デイサービスの費用には、公的介護保険が適用される費用と、適用されない費用があります。ここからは、公的介護保険が適用される費用について解説します。

利用料

利用料とは

利用料は、デイサービスを利用した際にかかる費用のことを指し、デイサービスへの送迎や滞在、レクリエーションへの参加にかかる料金などにあたります。基本的にはどの施設を利用しても請求されるもので、国が定めた単位によって金額が決定されます。

単位は下記の要素によって変動します。

・要介護度と利用時間
・施設の規模
・利用地域

ここからは、それぞれの要素について詳しく見ていきましょう。

単位数が決められる条件① 要介護度と利用時間

まず1つ目の条件は、「利用者の要介護度」と「デイサービスの利用時間」です。この2つの要素によって、デイサービスを1回利用するための必要な単位が定められており、要介護度が低く、利用時間が短いほど単位は少なくなる仕組みとなっています。

<利用時間と要介護度:サービス基本単位数>

 

要介護1

要介護2

要介護3

要介護4

要介護5

34時間未満

370単位

423単位

479単位

533単位

588単位

45時間未満

388単位

444単位

502単位

560単位

617単位

56時間未満

570単位

673単位

777単位

880単位

984単位

67時間未満

584単位

689単位

796単位

901単位

1,008単位

78時間未満

658単位

777単位

900単位

1,023単位

1,148単位

89時間未満

669単位

791単位

915単位

1,041単位

1,168単位

単位数が決められる条件② 施設の規模

利用者の要介護度と、デイサービスの利用時間に加え、利用する施設の規模によっても金額は異なります。

施設の規模の種類は下記のように分類されます。
  • 地域密着型:利用定員18人以下
  • 通常規模型:月当たりの平均利用者数が750人以内
  • 大規模型(Ⅰ):月当たりの平均利用者数が900人以内
  • 大規模型(Ⅱ):月当たりの平均利用者数が901人以上
これらの規模別に見た各単位数は以下のとおりです。
 
施設の規模が小さいほど単位数が増えていきます。

単位数が決められる条件③ 地域

サービス利用料は地域によって賃金の差があるため、地域別に単位が異なる仕組みとなっています。

基本的には1単位は「10円」ですが、地域ごとに1級地から7級地、それ以外の地域を「そのほか」として区分し、単位の単価が定められています。1単位の金額にはそれほど大きな差はありませんが、利用回数が増えると金額の差は大きくなっていくため注意が必要です。

デイサービスの規模

1単位の単価

区分の地域(一例)

1級地

10.90

東京23

2級地

10.72

東京都町田区

神奈川県横浜市

大阪府大阪市など

3級地

10.68

埼玉県さいたま市

千葉県千葉市

大阪府守口市など

4級地

10.54

茨城県牛久市

大阪府豊中市

兵庫県神戸市など

5級地

10.45

愛知県豊田市

京都府京都市

福岡県福岡市など

6級地

10.27

宮城県仙台市

栃木県宇都宮市

和歌山県和歌山市など

7級地

10.14

北海道札幌市

富山県富山市

香川県高松市など

そのほか

10

1~7級地に該当しない地域

サービス加算

サービス加算とは

サービス加算とは、特定のサービスの提供や人員配置が一定の条件を満たしているときに追加される料金です。これは施設によって異なります。

特定のサービスには、入浴介助・口腔機能向上・栄養改善への取り組みなどが該当します。サービスごとに単位数は異なり、利用した分の費用はかかりますが、質の高いサービスを受けられます。

おもなサービス加算

おもなサービス加算には、下記のものがあります。
  • サービス提供体制強化加算
    サービス提供体制強化加算は、基準を満たし、質の高いサービスを提供する施設に対する加算です。利用者全員に加算されるものであり、利用サービスの種類にかかわらず一律の金額が発生します。ここでいう基準とは、施設に所属する職員の「介護福祉士」の有資格者割合や、勤続年数などが該当します。

  • 生活機能向上連携加算
    生活機能向上連携加算は、施設の職員と外部のリハビリテーション専門職が連携し、自立支援や重度化防止に寄与する介護を提供する事業所に対して評価する加算です。デイサービスの機能訓練に専門家が介入することで、利用者は適切な助言を受けられ、生活の質の向上が期待できます。

  • 個別機能訓練加算
    個別機能訓練加算は、機能訓練指導員を配置しており、利用者に対し個別機能訓練計画書を作成し、その計画に基づく機能訓練を行うなどの算定要件を満たした際に加算されるものです。

    機能訓練指導員は、利用者が日常生活を送るために必要な機能の低下を防止するため、機能訓練の指導・実施を行う専門職を指します。デイサービスでは、理学療法士・作業療法士が配置されているケースが多い傾向です。

  • 入浴介助加算
    入浴介助加算は、デイサービスにおいて入浴介助サービスを提供した場合に算定できる加算です。

  • 口腔機能向上加算
    口腔機能向上加算とは、口腔機能の低下している人やそのおそれのある人に対して口腔機能向上のための取り組みをした際に評価される加算です。

減額されるケース

サービスが一部不足している場合や、不備や不足により基準を満たしていない場合、料金が減額となることがあります。基本報酬から一定の金額が差し引かれる「減算」は、基準や規定が細かく定められています。

減算されるケースには下記のようなものがあります。
  • 送迎を行わない場合
  • 月々の平均利用人数が定めている定員を超える場合
  • 介護・看護職員の配置人数が基準以下の場合
  • サービスを提供する場所と利用者の居住地が同じ敷地内の場合

公的介護保険が適用されないデイサービスの費用

デイサービスの費用のなかには公的介護保険適用外となる費用もあり、これらは全額自己負担となるためしっかりと確認しておきましょう。

食費

たいていのデイサービスでは食事やおやつが提供され、食費として請求されますが、食費は公的介護保険の適用外となるため、全額自己負担となります。

食費の料金は施設ごとに異なりますが、目安として1回につき1,000円前後と覚えておくとよいでしょう。
なお、デイサービスを利用する時間によっては食事が必要ない時間があります。その場合、もちろん食費は発生しません。

その他の費用

シャンプーや歯ブラシ、おむつ、リハビリパンツなど、施設が用意した日用品を使った場合はその分の料金を支払う必要があります。食費と同様に施設によって料金は異なりますが、1日数百円ほどの金額でしょう。

なお、日用品は施設によって持ち込んで良い場合もあります。費用を少しでも抑えたいと考えている方は、施設に確認したうえで用意するとよいでしょう。

また、レクリエーションで使うアイテムを手作りで用意した場合、その材料費なども保険適用外となるため費用が発生します。

デイサービス費用の軽減制度3つ

デイサービス費用にはいくつかの軽減制度があります。一つずつチェックしていきましょう。

高額介護サービス費

公的介護サービスの自己負担額は所得に応じて1割~3割負担となっています。しかし介護サービスを毎日のように利用していると、気が付けば高額になっていたということも少なくはありません。

そんなときに活用したいのが「高額介護サービス費」制度です。高額介護サービス費とは、デイサービスを含めた1カ月の自己負担額の合計が高額になったときに適用されます。

自己負担の上限額は個人や世帯ごとの所得によって定められており、1カ月の自己負担額の合計が上限を超えた場合、その超過分の金額が公的介護保険から支給されます。申請が必要となる制度なので、利用する際は住んでいる自治体の介護保険課に問い合わせてみるとよいでしょう。

社会福祉法人等による低所得者に対する利用者負担軽減制度

低所得者でも安心して福祉サービスを利用できるようにすることを目的とした制度です。低所得で生活が困難であると認められた方で、社会福祉法人軽減制度による軽減を実施している介護サービス事業所のサービス利用者が対象となります。

対象となる費用は介護サービス費の自己負担額、食費、宿泊費、居住費(滞在費)などで、原則として自己負担額の4分の1が軽減されます。

対象者は、住民税が非課税の世帯の方で以下の条件をすべて満たし、市町村が認定した方、または生活保護受給者です。
  • 年間収入が単身世帯で150万円、世帯員1人増加ごとに50万円加算した額以下であること
  • 預貯金等の額が単身世帯で350万円、世帯員が1人増加ごとに100万円を加算した額以下であること
  • 日常生活に供する資産以外に活用できる資産がないこと
  • 負担能力のある親族等に扶養されていないこと
  • 公的介護保険料を滞納していないこと
この軽減制度を利用するには住んでいる市区町村へ申請し、審査を受ける必要があります。認定されると「社会福祉法人等利用者負担軽減確認証」が交付されます。

高額医療・高額介護合算療養費制度

1年間(毎年8月から翌年の7月末まで)の医療保険と公的介護保険の自己負担の合算額が、著しく高額になる場合の負担を軽減するために作られた制度です。医療費と介護費の合算、世帯内での合算ができることも特徴で、世帯内の合算金額が自己負担限度額を超えた場合、基準に基づいた金額が払い戻されます。

公的介護保険に関係する部分は「高額医療合算介護サービス費」として、医療保険が関係する部分は「高額介護合算治療費」として公的介護保険者、医療保険者の双方から自己負担額の比率に応じ払い戻しが行われます。

高額医療・高額介護合算療養費制度における限度額は年額56万円をベースとし、医療保険各制度や被保険者の所得・年齢ごとに細かく区分分けされています。

デイサービス費用は医療費控除の対象になる?

基本的にデイサービスは医療費控除の対象にはなりません。医療費控除は医療系サービスに適用されるものです。デイサービスは福祉系サービスとなるため、医療保険の対象外となります。

ただし介護サービスのなかには、以下のように、内容によっては医療費控除の対象となるケースがあります。

医療費控除対象となる介護サービス

医療費控除の対象となる介護サービスには、おもに以下のものがあります。
  • 訪問看護
  • 介護予防訪問介護
  • 訪問リハビリテーション
  • 介護予防訪問リハビリテーション
  • 通所リハビリテーション(医療機関におけるデイサービス)
  • 介護予防通所リハビリテーション
  • 医師による居宅療養管理指導
  • 介護予防居宅療養管理指導
  • 短期入所療養介護(ショートステイ)
  • 介護予防短期入所療養介護
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護(一体型事業所での訪問看護利用時にのみ)
  • 看護・小規模多機能型居宅介護(上記の居宅サービスを含む組み合わせて提供されるものに限る。生活援助中心型の訪問介護の部分を除く)

医療費控除対象となるサービスと併用することで医療費控除の対象となる介護サービス

上記で紹介した医療費控除の対象となるサービスと併せて利用する場合のみ、医療費控除の対象となる介護サービスもあります。

医療費控除の対象となるサービスと併せて利用する場合とは、1カ月単位のケアプラン(介護サービス計画書)に、医療費控除の対象となるサービスが位置付けられている場合を指します。具体的には、居宅介護支援事業者等から交付されるサービス利用票に、医療費控除の対象となるサービスが記載されているかどうかが、医療費控除の対象となるかを判断するポイントです。

デイサービスも医療費控除の対象となる介護サービスと併せて利用することで医療費控除の対象となります。

他にも、以下の介護サービスは医療費控除の対象となる介護サービスとの併用で医療費控除の対象となります。
  • 通所介護(デイサービス)
  • 訪問介護(ホームヘルプサービス/生活援助(調理、洗濯、掃除等の家事の援助)中心型を除く)
  • 夜間対応型訪問介護
  • 訪問入浴介護
  • 介護予防訪問入浴介護
  • 地域密着型通所介護
  • 小規模多機能型居宅介護
  • 介護予防小規模多機能型居宅介護
  • 認知症対応型通所介護
  • 介護予防認知症対応型通所介護
  • 短期入所生活介護(ショートステイ)
  • 介護予防短期入所生活介護
  • 定期巡回・随時対応型訪問介護看護(一体型事業所で訪問看護を利用しない場合で連携型事業所に限る)
  • 看護・小規模多機能型居宅介護(上記医療費控除の申請対象の介護サービスを含まない組み合わせにより提供されるもの(生活援助中心型の訪問介護の部分を除く)に限る)
  • 地域支援事業の訪問型サービス(生活援助中心のサービスを除く)
  • 地域支援事業の通所型サービス(生活援助中心のサービスを除く)

デイサービスにかかる費用の仕組みを理解して、上手に利用しよう


デイサービスは利用者にとっても家族にとってもメリットのある介護サービスです。それぞれの負担が抑えられ、生活の質の維持・向上が期待できます。

デイサービスの利用にかかる費用はさまざまな観点によって変動があります。サービスの利用回数や内容で負担の増加が見込めるときは、デイサービスで使える軽減制度の活用も検討するとよいでしょう。

 
朝日生命では、認知症などの介護の経済的負担に備えられる介護保険を提供しています。
将来に備えて保険加入をご検討中の場合は、ぜひご活用ください。

社会福祉士 萩原 智洋

有料老人ホームの介護スタッフとして、認知症の方や身体介護が必要な方の生活のサポートを行う。その後、社会福祉士資格を取得。介護老人保健施設の相談員として、入所や通所の相談業務に従事。第二子の出産を機にライターへ転身。現在は、これまでの経験を活かしてウェブコンテンツの執筆業務を行っている。

公開日:2024年8月5日

介護について知る

介護を予防する

介護について考える

公的制度・支援サービス

介護の費用

介護が始まったら

認知症について知る

認知症とは

認知症の予防

もの忘れ・認知症の専門家の
特別コンテンツ

生活習慣病について知る

生活習慣病とは

生活習慣病の予防

老後の備え方

年代別アドバイス