定期巡回・随時対応型訪問介護看護には、利用者にとって心強いメリットがあります。以下では、その主なポイントを見ていきましょう。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護の大きなメリットは、24時間いつでも対応してもらえる安心感です。
専用のケアコール端末を使えば、緊急時にオペレーターへすぐに連絡ができ、必要に応じて介護職員や看護師が自宅へ駆け付けてくれます。
一人暮らしの高齢者や老老介護の家庭にとって、夜間や急変時でも支援を受けられる体制はとても心強いものです。さらに、離れて暮らす家族にとっても安心材料となるでしょう。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、月額の定額制で提供されるため、費用の見通しが立てやすい点もメリットです。
要介護度が上がっても利用料が急激に高くなることはなく、随時対応や随時訪問を利用した場合でも追加費用はかかりません。
体調の変化にすぐ対応できる体制を保ちながら、経済的な負担を抑えられるため、利用者本人だけでなく家族にとっても安心して継続できるサービスです。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護にはメリットだけでなく、利用の際に注意したいデメリットもあります。代表的なデメリットについて解説します。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、訪問介護や夜間対応型訪問介護など、内容が重複するほかの訪問系サービスとは併用ができません。
そのため、すでに利用している事業所の訪問ヘルパーとの関係を続けたい場合には、選択に悩むこともあるでしょう。サービスの切り替えは慎重に検討する必要があります。
ただし、デイサービスや通所リハビリ、短期入所などの通所・宿泊系サービス、通院等の乗降介助との併用は可能です。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護は月額の定額制であるため、サービスの利用回数が少ないと、割高に感じる場合があります。
軽度の要介護者や支援を要する頻度が少ない方にとっては、ほかの介護サービスのほうが経済的に合うこともあるでしょう。利用前に、自分や家族にとって適したサービスかどうかをしっかり検討しておきましょう。迷った際はケアマネジャーに相談することをおすすめします。
定期巡回・随時対応型訪問介護看護を利用する場合、公的介護保険が適用されるため、自己負担は1~3割で利用できます。
利用料金は1カ月ごとの月額制で、要介護度や訪問看護サービスの利用の有無、事業所の種類によって異なります。
以下は、1割負担の場合の月額利用料金の目安です。1単位は10円として計算しています。
<一体型:訪問看護サービスなし>
l 要介護1:5,446円
l 要介護2:9,720円
l 要介護3:1万6,140円
l 要介護4:2万0,417円
l 要介護5:2万4,692円
<一体型:訪問看護サービスあり>
l 要介護1:7,946円
l 要介護2:1万2,413円
l 要介護3:1万8,948円
l 要介護4:2万3,358円
l 要介護5:2万8,298円
<連携型:訪問看護サービスなし>
l 要介護1:5,446円
l 要介護2:9,720円
l 要介護3:1万6,140円
l 要介護4:2万0,417円
l 要介護5:2万4,692円
なお、連携型で訪問看護サービスを利用する場合は、上記に加えて訪問看護事業所の利用料として要介護1~4は2,961円、要介護5は3,761円が別途必要となります。
2024(令和6)年4月には、定期巡回サービスの基本報酬として夜間訪問の利用者負担に配慮した新たな区分が設けられました。月額利用料金の目安(1割負担の場合)は以下のとおりです。
<夜間訪問型>
l 基本夜間訪問型サービス費:989円
l 定期巡回サービス費:372円
l 随時訪問サービス費(Ⅰ):567円
l 随時訪問サービス費(Ⅱ):764円
随時訪問サービス費(Ⅰ)は通常の1人訪問、(Ⅱ)は2人訪問が必要な特例時に適用されます。