公的介護保険でレンタルベッドを導入
費用目安・利用する際の流れ


年齢を重ねるとともに、体力の低下や体の不調が気になってくるものです。将来に備えて介護ベッドの利用を検討している方のなかには、費用負担がネックになっている方もいるのではないでしょうか。

介護ベッドを利用したい場合は、公的介護保険制度でレンタルベッドを利用できるケースがあります。利用する際には、利用条件や利用方法を正しく理解し、自身の理想をかなえられるか確認することが大切です。

当記事では、公的介護保険でレンタルベッドを利用できる対象者や、レンタルできるベッドの特徴、費用目安、利用の流れ、レンタルベッドを扱う事業者選びのポイントなどを解説します。

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公的介護保険でレンタルベッドを利用する条件

公的介護保険を利用してレンタルできる介護ベッドは、誰でも自由に使えるものではなく、一定の条件を満たす必要があります。

要介護認定の区分

公的介護保険制度では、要介護認定の区分が「要支援1~2」、「要介護1~5」の7段階に分けられています。
 
公的介護保険でレンタルできるベッドは、「福祉用具貸与」に分類されるサービスです。
福祉用具貸与は、日常生活を営むうえで支障がある方を対象としており、原則として「要介護2」以上の認定を受けている方が利用できます。

ただし、レンタルベッドの利用可否は要介護度のみで決まるわけではありません。

関連記事:公的介護保険の福祉用具購入・レンタルとは?利用の流れや選び方のポイント

例外的に利用できる方

要支援1・2や要介護1に認定されている場合、原則として介護ベッドはレンタル対象外です。

しかし、一定の条件を満たす場合には、例外的に利用が認められることがあります。この制度を「例外給付」といいます。

例えば、自力での起き上がりや寝返りが困難で、介護ベッドを使用しなければ日常生活に大きな支障が出ると判断されるケースなどが対象です。

この場合には、厚生労働大臣が定める告示に該当し、要介護認定の基本調査に基づく判断結果がある事に加え、医師の所見、ケアマネジメントによるプランの位置付けをもとに、必要性が認められることが前提です。

なお、例外給付には所定の手続きが必要であり、すべての方が必ず対象になるわけではありません。

公的介護保険でレンタルできるベッドの特徴

 
公的介護保険でレンタルできるベッドには、一般的な家庭用ベッドとは異なる特徴があります。ここでは、レンタルできるベッドの特徴に加え、利用できる付属品についても解説します。

特殊寝台(介護ベッド)

公的介護保険でレンタルできるベッドは、「特殊寝台(ギャッチベッド)」と呼ばれます。特殊寝台は、背上げ・脚上げ・高さ調整などの機能を備えている点が大きな特徴です。

これらの機能が備わっていることで、利用者はベッド上での起き上がり動作がしやすくなり、立ち上がりや車いすへの移乗動作も安全に行いやすくなります。

また、介護者の身体的負担を軽減できるため、在宅介護において重要な役割を果たすでしょう。

付属品としてレンタルできるアイテム

公的介護保険制度では、特殊寝台本体だけでなく、マットレス、サイドレール、介助用テーブルなどの付属品もレンタルすることが可能です。用途としては、転落防止や立ち上がり時の支え、食事や作業時の姿勢保持など、安全性を高める目的で使用されることが多いでしょう。

ただし、付属品も、利用者の身体状況や住環境など、あくまで安全性や介護上の必要性がある場合に限られます。そのため、どの付属品のレンタルが適切かは、ケアマネジャーと十分に相談したうえで選定することが重要です。

公的介護保険によるベッドのレンタル費用目安

公的介護保険を利用して介護ベッドをレンタルする場合、費用は原則として1割負担となります。ただし、一定以上の所得がある方は、2割または3割負担となる点に注意が必要です。

月額のレンタル料金は、ベッドの種類や機能、福祉用具貸与事業者によって異なります。一般的に、自己負担額は1,000円前後(1割負担の場合)となるケースが多いでしょう。

厚生労働省によると、マットレスの全国平均貸与価格は、安いもので月額約1,900円、高めのもので約2,100円となっています。ベッドフレームの全国平均貸与価格は、安いもので約6,000円、高めのもので1万円前後とされています。
なお、公的介護保険には要介護度により利用できる支給限度額(単位)が設定されています。そのため、福祉用具貸与などの介護サービスを追加する際には、支給限度額内におさまるよう調整することが重要です。

公的介護保険でのレンタルベッドの導入は4STEPで可能

公的介護保険を利用してレンタルベッドを導入する手順は、大きく分けて4つです。
  1. 要介護認定を受け、ケアマネジャーがケアプランを作成
  2. ケアプランに基づき、レンタルベッドの要否を判断
  3. 福祉用具貸与事業者を選び、機種や付属品を決定
  4. 契約後、自宅へ搬入・設置され利用開始
公的介護保険でレンタルベッドを利用するには、まず要介護認定を受けることが前提となります。

認定後、ケアマネジャーが身体状況や生活環境を踏まえてケアプランを作成し、そのケアプランをもとに介護ベッドの要否が検討されます。

必要と認められた場合は、福祉用具貸与事業者を選定し、ベッドの種類やサイドレールなどの付属品を決めましょう。

契約完了後、事業者が自宅へベッドを搬入・設置し、使用方法の説明を受ければ利用開始です。

レンタルベッドの事業者選びで確認しておくべきポイント

 
介護ベッドをレンタルする際は、ベッドの性能だけでなく、どの事業者から借りるかも重要なポイントです。

以下では、レンタルベッドを利用するにあたって事業者を選ぶ際に確認しておきたいポイントを3つ紹介します。

専門的な知識を有するスタッフの在籍状況

介護を必要とする方の身体状況は、時間の経過とともに変化することが少なくありません。そのため、福祉用具や公的介護保険などの専門知識を持つスタッフが在籍しているかは重要な確認ポイントです。

利用者本人や家族の状態を丁寧にヒアリングし、身体状況や生活環境に合った介護ベッドおよび付属品を提案してくれるかどうかが、事業者の質を見極める判断材料となります。

また、ケアマネジャーと密に連携し、状況の変化に応じて用具を見直すなどの体制が整っている事業者であれば、より安心して利用できるでしょう。

サービス内容やサポート体制

ベッドのレンタル中に不具合やトラブルが発生した場合、迅速に対応できる体制が整っているかどうかも重要です。連絡先や対応時間、交換、修理までの流れを事前に確認しておくとよいでしょう。

併せて、定期的な点検やメンテナンス、衛生管理が適切に行われているかも確認しましょう。

また、設置の際に操作方法や注意点を丁寧に説明し、利用者が安全に使用できるよう配慮してくれる事業者であるかどうかも、選定時の判断材料となります。

ほかの利用者の評判や実績

事業者を選ぶ際には、これまでの実績や利用者からの評判も参考になります。特に、長年にわたってサービスを提供している事業者は、介護現場でのノウハウが豊富な点で安心感につながるかもしれません。

インターネット上の口コミだけでなく、介護現場をよく知っているケアマネジャーからの評価や紹介を参考にするのも有効です。

また、地域での利用実績が多い事業者であれば、緊急時の対応や柔軟なサポートにも期待できるかもしれません。

公的介護保険でレンタルベッドを利用できない場合はどうすれば良い?

介護用のレンタルベッドを利用したい方のなかには、公的介護保険で利用するための条件を満たしていない方もいるでしょう。その場合は、ほかの方法での利用を検討する必要があります。

介護ベッドの自費レンタルサービスを利用する

要介護度などの条件により公的介護保険が適用されない場合は、担当のケアマネジャーに相談し、介護ベッドの自費レンタルサービスを利用するという選択肢があります。

全額自己負担となるため、公的介護保険で利用するよりも費用は高くなりますが、要介護認定を受けていない方や、軽度の認定にとどまる方でも利用することが可能です。

また、利用途中で身体状況が変化し、公的介護保険の適用対象となった場合には、公的介護保険でのレンタルに切り替えることもできます。

なお、公的介護保険に切り替える際には、あらためてケアプランの作成や契約内容の変更など、所定の手続きが必要です。

介護ベッドを購入する

もう一つの方法として、介護ベッドを自費で購入する選択肢があります。

購入した場合は返却の必要がなく、利用期間や使用方法に制限がないため、汚れや傷、故障などを過度に気にせず使える点がメリットです。

一方で、身体状況の変化によって機能が合わなくなった場合、買い替えが必要になる可能性があります。

また、介護ベッドには耐用年数があるため、長期的な使用を前提とする場合は、修理や買い替えにかかる出費も考慮したうえで検討することが大切です。

公的介護保険制度への理解を深めて福祉用具のレンタルを活用しよう


公的介護保険制度でレンタルベッドを利用するためには、要介護認定や日常生活動作の状況など、条件を満たしていなければなりません。

条件を満たしていない場合は、介護ベッドの自費レンタルサービスを利用するか、介護ベッドを購入するといった選択肢もあります。

自費でベッドをレンタルしたり購入したりするとなれば、費用が高額になるケースもあるため、早いうちから将来の介護費用に備えておくことが大切です。

 
朝日生命では、認知症などの介護の経済的負担に備えられる介護保険を提供しています。
将来に備えて保険加入をご検討中の場合は、ぜひご活用ください。

小玉 有紀[介護福祉士]

1986年生まれ。福祉系専門学校にて介護福祉士・介護事務士を取得。介護業務を経験。その後、生活相談員・ケアマネジャーとしても勤務。全国展開する有料老人ホームにてアセスメントツールの開発事業に携わる。また系列施設で社員研修の講師となる。現在も、ケアマネジャーとして勤務するかたわら、ライターとして活動中。

資格:介護福祉士・介護事務士・介護支援専門員

公開日:2026年2月6日

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