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介護の場面でADLという言葉を聞くことがあります。しかしADLが実務の場面ではどのように用いられているのか、何を評価するものなのかなど、詳しいことはご存じない方も多いのではないでしょうか。
ADLとは日常生活動作を指し、医療や福祉の現場で高齢者や障害者の方の身体能力や日常生活レベルを図るための重要な指標 として用いられるものです。
本記事ではADLの概要と、評価軸となる2つのADL「BADL」と「IADL」について、そしてその評価方法を解説します。また、日常生活でADLの低下を防ぐポイントも紹介します。
ADLについて詳しく知りたい方はぜひ参考にしてください。
「ADL(日常生活動作)」とは?
項目 |
点数 |
質問項目 |
食事 |
10 |
自分で食事ができる 標準的な時間で食べ終えることができる |
5 |
おかずを細かくするなど部分介助が必要 |
|
0 |
全介助 |
|
車椅子からベッドへの移動 |
15 |
ブレーキなどの操作を含め、自立できる |
10 |
軽度の部分介助または見守りが必要 |
|
5 |
座ることは可能だがほぼ全介助が必要 |
|
0 |
全介助または不可能 |
|
整容 |
5 |
洗面、歯磨き、ひげ剃りなどが自分でできる |
0 |
部分介助または不可能 |
運動項目 |
セルフケア |
食事 |
身だしなみ |
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体を拭く |
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上半身または下半身の更衣 |
||
トイレに関連する動作 |
||
排泄 |
排尿のコントロール |
|
排便のコントロール |
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認知項目 |
コミュニケーション |
聴覚や視覚からの理解 |
音声等による表出 |
入浴 |
一人で可能または一部分だけ介助が必要 |
一部だけでなく介助が必要または一人で入浴できない |
|
更衣 |
タンスなどから衣類を出し着替えられる |
全部または一部の着替えができない |
|
トイレ |
便器への接近とそこからの離脱、衣類の操作、あと始末ができる |
トイレに介助が必要 |
項目 |
|
点数 |
電話を使用する能力 |
自分で番号を調べて電話をかけることができる |
1 |
2~3個の知っている番号であればかけることができる |
1 |
|
電話には出られるが自分からはかけられない |
1 |
|
まったく電話できない |
0 |
|
買い物 |
自分ですべての買い物ができる |
1 |
少額の買い物は自分でできる |
0 |
|
誰かが一緒でないと買い物はできない |
0 |
|
一人では買い物ができない |
0 |
バスや電車を使って1人で外出できる |
日用品の買い物ができる |
自分で食事が作れる |
請求書の支払いができる |
預貯金の出し入れが自分でできる |
記憶に関する内容 |
ものを置いた場所がわからなくなることがある |
5分前に聞いた話を思い出せないことがある |
|
自分の生年月日がわからなくなることがある |
|
見当識 |
今日が何月何日かわからないことがある |
今いる場所がどこかわからなくなることがある |
|
道に迷って帰れないことがある |
ADLは介護の現場において、サポートの必要性を可視化するために利用されている評価基準です。ADLの低下はやりがいや生きがいの低下につながり、介護の必要性を高めてしまうかもしれません。
自分らしい健康的な生活を少しでも長く続けていけるよう、規則的な生活を送り、楽しめる趣味、そして自分でできるという自信を持つことでADLの低下を防ぎましょう。
公開日:2024年9月9日