認知症かもしれないと思っても、「年のせいかも」と受診をしない方もいらっしゃいます。そのような方は、まず地域包括支援センターに相談することをおすすめします。
地域包括支援センターとは、
高齢者の生活や介護などのさまざまな相談に対応する機関です。必要な援助と結びつける、保健師や社会福祉士、主任ケアマネジャーなどの専門スタッフがさまざまなサービス機関と連携をとり、
多角的なサポートを行っています。
本人が病院の受診を嫌がっている場合は、家族のみで相談することも可能です。かかりつけ医がいない場合にも、地域包括支援センターに相談するとよいでしょう。
厚生労働省
「介護サービス情報公表システム」からお住いの地域の支援センターを簡単に検索できます。
親や家族、自分自身が「認知症になったとき」の相談先
親や家族、自分自身が認知症になったら、一体誰に相談すればよいのでしょうか。不安な気持ちのまま過ごさないためにも、相談先をいくつか知っておくとよいでしょう。
認知症カフェとは、認知症の方やその家族だけでなく、認知症について詳しく知りたい方や地域住民の方、介護や福祉の専門職の方など誰もが利用でき、交流したり情報の交換を行ったりできる場所です。
公民館や地域のコミュニティーセンターなどを利用して開かれており、全国で6,000カ所以上のカフェが存在しています。おおむねどの地域にもあり、現在もその数を増やしています。
介護施設や介護事業所、地域包括支援センターが運営していることが多く、NPO法人や地域のボランティア、介護や福祉の専門職の方が運営しているケースもあります。
活動内容はカフェによって異なりますが、多くのカフェで共通して行われていることは、以下のとおりです。
なお、「認知症カフェ」という名称以外に「オレンジカフェ」などの名称で運営されている地域もありますが、実施している内容はどちらも同じです。
認知症カフェの概要は、厚生労働省のパンフレット
「私たちの認知症カフェ」でわかりやすく紹介されています。
全国47都道府県すべてに支部がある「認知症の人と家族の会」は、
認知症の方やその家族の方が、悩みや介護体験などの情報を交換・共有し、互いに励まし合い、助け合うことを目的に設立された団体です。
各地で開催されている「つどい」では、同じ立場の人が集まり、介護の悩みや日常の工夫を話し合えます。
直接参加するのが不安な方は、まず電話相談から始めてみるとよいでしょう。
「認知症の人と家族の会」では、フリーダイヤルによる電話相談を受け付けており、認知症に関する知識や介護の方法などを経験者に気軽に相談できます。各支部でも電話相談を受け付けているため、住まいの地域に合わせて利用してみましょう。
詳細は
公益社団法人認知症の人と家族の会「電話相談」をご覧ください。
認知症と聞くと「高齢者が発症するもの」と考える方も多いかもしれませんが、
若くても認知症を発症することがあり、65歳未満で発症すると「若年性認知症」と診断されます。
若年性認知症は、働き盛りの方で発症することが多く、本人や家族の生活に与える影響も大きくなりがちです。違和感を覚えてからも受診に踏み切れず、発覚までに時間がかかるというケースも少なくありません。
こうした状況に対応するために設けられているのが、「若年性認知症コールセンター」です。これは、若年性認知症支援センターが実施している事業であり、若年性認知症に関する電話相談を受け付けています。専門的な研修を受けた相談員が対応しているほか、電話が苦手な方のためにメールでの相談も受け付けています。
詳細は厚生労働省
「若年性認知症の電話無料相談」をご覧ください。認知症に関する悩みは一人で抱え込まず、早めに相談することが大切です。