認知症サポーターには、5つの期待されることがあります。詳しくみていきましょう。
認知症に対し、偏見や誤解を持っている人たちは少なからず存在します。そしてその偏見や誤解に、認知症の方本人や認知症の方を支えている家族が悩み苦しんでいるケースもあります。
まず、認知症について正しく理解し、偏見を持たず、認知症の人や家族を温かく見守ることがスタートです。
また、自分自身がしっかりと認知症を理解していると、万が一自分が認知症になった際にも、何も知らないよりもずっと受け入れやすくなります。
認知症サポーターは、認知症に対する正しい理解ができているため、認知症の方や家族に対し温かな目で見守ることができます。前述のとおり、サポーターは特別な行動をする必要はありません。認知症の方やその家族の話を聞いたり、見守ったり、付き添ったりするなど、そばに理解者がいるというだけで、安心感を与えられます。
また、認知症の方が外出先などで困っているときには、そっと手助けしてあげるだけでも、辛い気持ちがやわらぐこともあるでしょう。
近隣の認知症の人や家族に対し、自分なりにできる簡単なことから実践すること
専門的な技術などを持ち合わせていなくても、認知症に対する理解や知識があるだけで認知症の方や家族に対してできることは十分あります。
例えば、近所を散歩しているところを見かけたらさりげなく様子を見守ったり、危ないと感じる状況があったら一緒に歩いたりするなどです。一人ひとりが小さなことを積み重ねて実践していくだけでも、認知症の方にとっては大きな支えになります。
地域でできることを探し、相互扶助・協力・連携、ネットワークをつくること
認知症の方やその家族に対するサポートを実践する際、自分ひとりですべてに対応しようとする必要はなく、専門家が必要なときには頼って問題ありません。誰に頼ればいいのか、それを知っていることが大切になります。
地域包括支援センターの場所や介護家族会の存在を教えられるなど、必要なサービスへとつなげることも認知症支援の一環です。必要なサービスへつなげることを何度も実践していくだけで、地域のネットワークの輪も広がり助け合いの輪は自然に広がっていきます。他力が必要になったら、専門機関につなげましょう。
認知症サポーターが中心となり、地域の方の手助けを行うことや、認知症への理解を広めるための積極的な情報発信を行うことは、認知症の方が暮らしやすい社会をつくっていくうえでも重要です。
「認知症の方を支援します」という意思表示になるオレンジリングを身に着け、人の集まる地域活動などに行けば、認知症サポーターを知ってもらうきっかけになりえます。サポーターの輪を広げ、地域全体で認知症の方を支える社会をつくっていきましょう。