冒頭でも述べたとおり、日常に関係する作業を用いて脳を刺激し、症状の進行を抑えることを目的としています。このほか、心身の機能の維持・強化、幸福感や自尊心の充足を取り戻すために活用されるケースも少なくありません。
ここからは、作業療法のメリットを3つ挙げて解説します。
拒否感が少なく取り組みやすい
その点、作業療法では日常的な作業を用いるため「難しい作業をしなければいけないのでは」「できなかったらどうしよう」などと感じにくい特徴があります。日常生活の延長のような作業が多く、拒否感を抱かずに取り組みやすいのです。
安心感や自信を取り戻せる
作業療法は、作業に関する能力の回復を目指しているため、作業能力の回復や向上を見込めます。「できなくなっていたことがまたできるようになった」「できることが増えた」などの経験を得た結果、自尊心や自信を取り戻す効果が期待できるでしょう。このほか、安心感の回復につながるケースもあります。
「なじみのある記憶」を活用できる
一方、作業療法では本人にとってなじみ深い「体で覚えていること」「日常的にこなしていた作業」を中心に活用するため、ストレスを感じにくいのが特徴です。また、なじみのある作業を繰り返すことで過去の記憶を取り戻し、懐かしさや作業を行なう喜びを再び感じられるようになる効果も期待できます。