認知症の症状は、脳の機能低下によって生じる「中核症状」と、中核症状から二次的に生じる「行動・心理症状(BPSD/周辺症状)」の2つに分類されます。それぞれの具体的な症状は次のとおりです。
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中核症状お風呂に入ったことを忘れる(記憶障害)、テレビの情報の理解に時間がかかる(理解力・判断力の低下)、今日の日付がわからなくなる(見当識障害)など
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行動・心理症状(BPSD/周辺症状)幻覚や妄想がある、気分が落ち込む(抑うつ)、目的もなく歩き回る(徘徊)など
なお、認知症にはさまざまな治療法があり、「薬物療法」と「非薬物療法」の大きく2つに分類されます。
認知症の治療における音楽療法とは?
音楽療法とは
音楽療法自体は古代から存在していましたが、第一次世界大戦後、負傷したアメリカ兵のケアに活用され再評価されました。その後、アメリカをはじめとする海外で広まりました。日本でも、音楽療法士を中心に教育や医療分野で取り入れられています。
認知症の治療における音楽療法
音楽を聴いたり歌ったり、楽器を演奏したりすることで、過去の楽しい記憶がよみがえり、リラックスする効果が期待できます。また、音楽を通して脳が活性化されるため、行動・心理症状(BPSD/周辺症状)の治療にも有効な可能性があります。
音楽療法の種類
受動的音楽療法
好きな音楽や懐かしい曲を聴くことで不安や焦りを落ち着かせ、認知症の症状を緩和させます。認知症でうまく体を動かせない人でも取り組みやすい方法です。
能動的音楽療法
老人ホームなどで複数の人と一緒に参加することで、周りの人との一体感も楽しめます。さらに、孤独感も軽減されるなど精神的安定が認知症の症状緩和に効果的です。