不穏が強い、受診拒否があるなど状況によっては、暫定的に臨床診断で診断することもありますが、本人及び本人をよく知る情報提供者から得られる客観的状況や症状と画像検査、認知機能検査などを組み合わせて診断していきます。他の疾患と同様に、認知症についても、早期受診、早期診断、早期治療はとても大切です。早期ほど薬で進行を遅らせることも可能です。しかし、認知症の診断は初期ほど難しいため、専門の医療機関を受診するのが望ましいです。また、症状の変化や進行を確認するため、定期的な受診に意味があります。
認知症の治療薬は、現在どれも認知症の進行抑制効果にとどまりますが、ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン、メマンチンの4種類が存在します。
早期受診のメリットは、①治療可能な認知症の可能性がある ②薬やリハビリなどにより早期から進行を遅らせる介入ができる ③自分の理解や判断力が十分にあるうちに将来のことや自分らしい選択が考えられる(進行後に介護をしてもらう場所や相手を自分で選択したり、その相手との関係を築き、自分がどうしてもらいたいかという意思を伝える時間が持てるなど) ④家族や周囲が認知症に対して理解を深める十分な時間を確保できるなどがあります。