帰省した際に、何となく感じる親御さんの行動への違和感や、親せきや近所の方から聞く、親御さんの気になる行動。「もしかして認知症?」と思ったら、まずは病院で専門家の診察を受けましょう。
認知症は、早期発見・早期の治療開始がとても大切です。どの段階で治療を始めるかによって、その後の進行や暮らしを左右しますので、本人が病院に行くことに難色を示したとしても、上手に誘導して診察を受けてもらうようにしてください。
とは言え、素直に受診してくれる方ばかりではありません。ある認知症の家族会の調査では、家族や周囲の方が、「もしかして認知症?」と思ってから受診に至るまで、約半年かかるケースが多いようです。
また、私自身の経験では、認知症という病気への認識がない方や、認知症による不安・焦燥、妄想などの心理症状によって拒否や拒絶が強くなったり、怒りっぽくなった方などは、2年以上の歳月を経てから受診されるケースが多いようです。講演会での質問や相談などでも「本人がどうしても病院に行ってくれない…」「どうしたら病院に連れていけるでしょうか?」というご家族の声をよく聞きます。
病院に連れていく方法として、まずは正攻法で、もの忘れの検査や認知症の検査に誘って、拒否された場合には、次のような誘い方も検討してみてください。