訪問による調査後は、コンピュータでの一次判定、介護認定審査会の二次判定によって、次のいずれかの要介護度が決まります。
• 非該当
• 要支援1・2(日常生活において、多少の支援が必要な状態を指す)
• 要介護1・2・3・4・5(日常生活全般において、介護が必要な状態を指す)
なお、要介護度の判定には、主治医の意見書の内容も考慮されることを覚えておきましょう。
介護認定調査の基本調査項目
一方の基本調査は、全国共通で定められた項目を一つずつ確認するのが特徴です。具体的には、次のような項目を調査します。
分類 | 調査項目の内容例 |
---|---|
身体機能・起居動作 | • 麻痺があるか • 関節が動く範囲はどれくらいか • 寝返り・起き上がりができるか • 座位・立位(片足/両足)を保てるか • 立ち上がり・歩行ができるか • 体を洗えるか • 視力・聴力はどれくらいか |
生活機能 | • 移動・移乗できるか • 食べ物を飲み込めるか • 排せつできるか • 歯磨き・洗顔・整髪ができるか • 衣類の着脱ができるか • 外出の頻度はどれくらいか |
認知機能 | • 意思の伝達ができるか • 生年月日・年齢・名前を答えられるか • 直前に何をしていたか思い出せるか • 今の季節を理解しているか • 今いる場所を理解しているか • 徘徊があるか |
精神・行動障害 | • 被害妄想・作り話をするか • 感情が不安定になるか • 昼夜が逆転しているか • しつこく同じ話をするか • 大声を出すか • 介護に抵抗するか • ひどい物忘れがあるか • 独り言・独り笑いをするか • 自分勝手な行動があるか |
社会生活への適応 | • 薬を内服できるか • 金銭管理ができるか • 意思決定できるか • 集団行動ができるか • 買い物ができるか • 簡単な調理ができるか |
その他 | • 過去14日間に受けた医療について (点滴の管理・中心静脈栄養・透析・モニター測定など) |
基本調査では把握できない状況や判断に迷った事象があれば「特記事項」に記載し、より正確に対象者を審査できるようにします。
介護認定調査に向けた3つの準備
家族が同席できる日程を調整する
適切な認定を受けるためには、本人が問題なく会話できる状態でも、家族が同席して客観的な状態を伝えることが大切です。介護認定調査を受けることになったら、家族が同席できる都合の良い日程を決めましょう。
認定調査票に目を通す
一方、「概況調査では具体的にどのようなことを聞かれるのか」と不安に感じる方もいるでしょう。概況調査で認定調査員が用いる「認定調査票(概況調査)」は、以下のページで確認可能です。
認定調査票(概況調査)
あらかじめ認定調査票に目を通しておくと、事前に情報収集すべきこと・考えを整理すべきことがわかりやすいでしょう。調査当日にスムーズかつ漏れなく回答を伝えられれば、要介護認定の正確な判定につながります。
普段の介護内容をまとめる
そのため、通常はどのような症状があるのか、食事や入浴の際にどのような介護が発生しているのかなど、介護者の目線で普段の様子をメモにまとめておくとよいでしょう。