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親の介護をしている方のなかには、「親族の中で介護をした人は遺産を多く相続できるのだろうか?」と、疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。
結論からいうと、介護をしている人が遺産を多く相続できるという定めはありません。介護をした人が、ほかの相続人よりも有利になることを示す法律がないためです。
ただし、介護したことを「寄与分」と主張することで、ほかの兄弟よりも多くの遺産を相続できる可能性があります。
本記事では、介護をした人が介護をしていない兄弟姉妹よりも多くの遺産を相続する方法の「寄与分」について解説します。また、寄与分を認めてもらうための要件や方法、親の生前に行える相続対策についても解説します。
介護中の方や、相続について気になっている方は参考にしてください。
介護をしても遺産の相続額には影響しない
本記事では、親の介護をした人が多くの遺産を相続できる可能性をもった仕組みである「寄与分」について解説しました。
寄与分をほかの相続人に認めてもらうには、さまざまな要件を満たす必要があります。遺産分割協議で寄与分を認めてもらえなければ、調停や審判に進むケースもあるため、なかなか相続まで進まずに疲弊してしまうかもしれません。
しかし、親の生前に、負担付死因贈与契約を結んだり、生命保険を活用したりすることで、介護をした人がより多くの遺産を相続しやすくなります。
現在介護中の人は、相続対策として生命保険を活用するほか、介護保険で介護費用にも備えておくとよいでしょう。
2021(令和3)年度の「生命保険に関する全国実態調査」によると、平均的な介護期間は61.1カ月となっています。介護期間が5年以上続く計算になるため、介護費用も早めに備えておくと安心でしょう。
公開日:2024年5月30日