リハビリ特化型施設とは
特徴・メリット・向いている人・費用の目安


リハビリ特化型施設について調べて「普通のデイサービスと何が違うの?」「施設に入らないといけないの?」と疑問を感じた方もいるのではないでしょうか。

リハビリ特化型施設は、自宅から通いながら機能訓練を受けられる施設です。身体機能の維持・改善を目的とした半日型のデイサービスとして位置づけられています。

この記事では、リハビリ特化型施設の特徴やサービス内容、利用に向いている人、費用の目安と選び方についてわかりやすく解説します。

デイサービスのなかの「リハビリ特化型施設」

 
リハビリ特化型施設は、自宅での生活を続けながら通える、機能訓練に重点を置いたデイサービスです。食事や入浴といった日常生活の介助よりも、身体機能の維持・向上に重きを置いたプログラムが組まれています。

介護保険上の正式名称は「通所介護」

「リハビリ特化型施設」「リハビリ特化型デイサービス」は通称であり、介護保険上の正式な区分ではありません。介護保険制度上は「通所介護(デイサービス)」、または定員18人以下の小規模な事業所の場合だと「地域密着型通所介護」として分類されます。

対象者は基本的に要介護1~5の認定を受けた方です。要支援1・2の方は、通所介護としては利用できません。ただし、事業所が市区町村の「総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)」の指定を受けている場合は、利用できることがあります。

なお、利用の可否は地域や事業所によって異なるため、まずはケアマネジャーや地域包括支援センターに確認してみましょう。

一般的なデイサービスとの違い

一般的なデイサービスは、食事や入浴、レクリエーションなど日常生活全般のサポートを行います。利用時間はおおむね7~9時間程度です。家族の介護負担を軽減する「レスパイトケア」としての側面も強く、日中の見守りや生活介助がおもな役割となっています。

一方、リハビリ特化型施設は、食事・入浴・レクリエーションを最小限に抑え、機能訓練を中心に据えた半日型の運営が特徴です。

利用時間は3~5時間が多く、午前・午後の2部制を採用する事業所が一般的です。「介護される場所」というよりも「自分で鍛える場所」という性質があり、本人が比較的受け入れやすいサービスであるといわれています。

リハビリ特化型施設で行われる機能訓練の内容例

 
リハビリ特化型施設では、利用者一人ひとりの身体状態や目標に応じた機能訓練が提供されます。一般的なデイサービスでも機能訓練は行われますが、リハビリ特化型施設では専門職の常駐または定期的な関与によって、訓練の質と量がより充実している点が特長です。

ここからは、リハビリ特化型施設で行われる訓練内容の例を紹介します。

マシンや器具を使った筋力・体力トレーニング

筋力強化や体力向上を目的に、レッグプレスやチェストプレスといったトレーニングマシンを活用した運動プログラムが行われます。下半身の安定や上半身の可動域改善など、日常生活の動作に直結した訓練目的に合わせてマシンが選ばれます。平行棒を使った歩行訓練や、転倒予防を目的としたバランス訓練なども代表的なメニューの一つです。

こうした機器の活用によって個々の身体能力に応じた負荷を設定できるため、無理なくトレーニングを継続することができます。

機能訓練指導員による個別プログラム

理学療法士・柔道整復師・看護師などの資格を持つ機能訓練指導員が、利用者ごとに目標を設定した個別プログラムを作成します。「歩行を安定させたい」「転倒を予防したい」といった具体的な生活上の目標に沿って、訓練内容が組まれていくのが特徴です。

身体能力の定期的な測定・評価も行われ、状態の変化に応じてプログラムが見直されます。

リハビリ特化型施設の1日の流れ

リハビリ特化型施設の滞在時間は3~5時間程度で「短時間で鍛えて帰る」というリズムが基本です。一般的な1日の流れは、以下のような形になっています。

<一般的な1日の流れ>
  1. 送迎
  2. バイタルチェック
  3. 準備運動
  4. 個別・集団訓練
  5. 休憩・水分補給
  6. 整理体操
  7. 送迎
通う頻度はケアプランに基づき、ケアマネジャーと相談しながら決めていきます。

長時間のトレーニングや集団生活を負担に感じる方でも、半日型であれば体力的・精神的な負担が少なく、通いやすいでしょう。

リハビリ特化型施設を利用するメリット

 
リハビリ特化型施設には、以下のような複数のメリットがあります。

専門職による個別プログラムを受けられる

リハビリ特化型施設では、利用者ごとの目標に合わせた個別プログラムが作成されます。

「歩けるようになりたい」「転ばないようにしたい」といった具体的な目標に向けて取り組めるのは、専門職が個別に関与しているからこそです。

理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)が在籍する事業所では、より専門性の高い訓練を受けられることが期待できます。

負担が少なく、本人も取り組みやすい

リハビリ特化型施設は半日型のところが多いため、体力的な負担が少なく、利用者自身が主体的にトレーニングへ取り組む雰囲気があります。

初めて介護サービスを利用する方や、長時間の利用をためらっている方にも比較的なじみやすいのが特徴です。

要介護度が軽いうちから始めやすい

利用者の多くは、比較的軽度の要介護状態の方です。そのため、身体機能が大きく低下する前からトレーニングに取り組める環境が整っています。

動ける段階からリハビリを継続することで、日常生活の自立度を維持しやすくなるほか、要介護度の進行を緩やかにする効果も期待されています。

リハビリ特化型施設を利用する際の注意点

メリットの一方で、リハビリ特化型施設には、レスパイトケアにはあまり向かない、専門職員が在籍しているとは限らない、利用の可否が身体の状態に左右されるといった注意点があります。

食事・入浴がなく、家族の負担を減らしにくい

リハビリ特化型施設の多くが半日型であるため、家族が自由に使える時間は一般的なデイサービスと比べて短くなります。

食事や入浴の介助が必要な方には、リハビリ特化型施設だけではカバーしきれない部分も出てくる可能性があります。そのような場合は、訪問介護など他の公的介護サービスを組み合わせて利用することも検討するとよいでしょう。

事業所によって専門職の体制が異なる

「リハビリ特化型」を謳っていても、専門職員が必ず在籍しているとは限りません。理学療法士(PT)や作業療法士(OT)、言語聴覚士(ST)の全部または一部がいない事業所も存在します。

機能訓練指導員が看護師や柔道整復師のみという事業所もあるため、見学や問い合わせの際に専門職の体制を確認しておくと安心です。また、個別機能訓練加算を算定しているかどうかも、機能訓練指導員の配置を確認する一つの目安になります。

身体の状態によっては利用できない場合がある

リハビリ特化型施設は、リハビリをおもな目的としているため、医療的ケアが必要な方や重度の介護状態にある方は、利用が難しいと判断されることがあります。

「自分に合っているかどうか不安」という場合も含め、まずはケアマネジャーや事業所に相談してみましょう。

リハビリ特化型施設が向いている人の特徴とは

リハビリ特化型施設は、身体機能の維持・向上を目的としたサービスである分、向いている人とそうでない人がある程度はっきり分かれます。それぞれの特徴をまとめましたので、利用を検討する際の参考にしてみてください。

向いている人

食事や入浴など身の回りのことがある程度自分でできる方や、「もう少し遠くまで歩けるようになりたい」「一人で買い物に行けるようになりたい」といったリハビリへの意欲がある方に向いています。

また、半日型の場合は利用時間が短めなので、介護サービスを利用することへの抵抗感がある方や、短時間で集中して訓練に取り組みたい方にも選ばれやすいサービスです。

別のサービスを検討した方が良い人

状態やニーズによっては、リハビリ特化型施設より別のサービスのほうが適している場合もあります。

例えば、痰の吸引や酸素管理など医療的ケアが必要な方には、医師が常駐しており医療との連携がなされている通所リハビリ(デイケア)が向いています。

また、認知症の診断があり、認知症に特化したケアを必要とする方には認知症対応型通所介護という選択肢もあります。

外出が難しく自宅でリハビリを受けたい方は、訪問リハビリも検討してみてください。

リハビリ特化型施設の費用の目安

リハビリ特化型施設の利用には介護保険が適用され、所得に応じて1~3割の自己負担が生じます。費用は利用時間や事業所の規模、加算の内容によって異なります。

一般的には、通常規模の事業所で3~4時間程度利用した場合、要介護1・1割負担で1回当たり370~400円前後が基本料金の目安です。

個別機能訓練加算などが算定されている場合は、基本料金に上乗せされます(1割負担で数十円~100円程度)。送迎費用は基本料金に含まれることが多いですが、事業所によって異なるため、利用前に確認しておくと安心です。具体的な金額はケアマネジャーや事業所に直接確認してみましょう。

リハビリ特化型施設を活用して身体機能を保とう


リハビリ特化型施設は、自宅から通いながら専門職による機能訓練を受けられる、半日型のデイサービスです。身体機能の維持・向上をおもな目的としており、要介護度が軽いうちからリハビリに取り組みやすい環境が整えられています。

ただし、食事・入浴のサービスは基本的に含まれず、医療的ケアへの対応にも限界があります。事業所ごとに専門職の配置体制も異なるため、ケアマネジャーに相談しながら本人の状態に合った事業所を選びましょう。

在宅での生活を長く続けるためには、リハビリ特化型施設などの介護サービスを上手に活用しながら、万が一のときの経済的な備えも考えておくことが重要です。

 
朝日生命では、認知症などの介護の経済的負担に備えられる介護保険を提供しています。
将来に備えて保険加入をご検討中の場合は、ぜひご活用ください。

小玉 有紀[介護福祉士]

1986年生まれ。福祉系専門学校にて介護福祉士・介護事務士を取得。介護業務を経験。その後、生活相談員・ケアマネジャーとしても勤務。全国展開する有料老人ホームにてアセスメントツールの開発事業に携わる。また系列施設で社員研修の講師となる。現在も、ケアマネジャーとして勤務するかたわら、ライターとして活動中。

資格:介護福祉士・介護事務士・介護支援専門員

公開日:2026年7月14日

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