しかし、感情は末期の段階まで残っているため、言ってはいけない言葉を使わないように気を付けなければなりません。
認知症になると、抱いた感情が残像のように相当時間継続するといわれており、この状態は、「感情残像の法則」とも呼ばれています。例えば、認知症の方を頭ごなしに否定したり、無理に説得したりすると、本人に負の感情だけが残ってしまう可能性が高いので要注意です。
認知症の方に言ってはいけない言葉
否定する言葉
認知症は初期の頃から記憶障害が現れるケースも珍しくありません。しかし、本人の信じていることを否定したり、物忘れを指摘したりすると、孤独や怒りを覚えやすくなるため、本人の世界に寄り添った言葉をかけることが大切です。
強制する言葉
また、認知症の方に行動をお願いして拒否されたときは、その理由を聞くことが重要です。本人の気持ちを理解し、納得してもらったうえで行動を促せば、スムーズに介護が行えるでしょう。
責める言葉
特に認知症の場合は、記憶障害、思考力の低下などが原因で、「物盗られ妄想」と呼ばれる症状を起こし、お金や貴重品を盗られたと妄想するケースも多くあります。対処法として、「一緒に探そう」と冷静に言ったり、別の話題を振ってみたりすることが有効です。
ペースを乱す言葉
このような言葉は、本人に不満を抱かせたり、萎縮させたりすることにつながります。認知症の方がうまく行動できていないときは、タイミングを見計らって、本人にサポートが必要か確認するような言葉をかけるとよいでしょう。