レクリエーション中にトラブルが起きたときには、状況に応じた対応が求められます。
認知症が進行すると、食べ物の区別がつかなくなる異食行動や、食欲が抑えられなくなる異常状態が見られることもあります。レクリエーションで使う小道具などを食べようとする場合は「今はやめましょうね」と優しく止めましょう。
小道具の使い方を介護スタッフが再度実演したり、代わりに本物の食べ物を渡したりするのも有効です。
認知症の方が小道具を食べようとしている際は、本人の口もとに手を近づけないよう注意してください。噛まれてしまうおそれがあります。
大声で怒鳴ってしまう場合は、一度ほかのスタッフに別の場所へ連れて行ってもらい、本人が落ち着くまで待つのが理想的です。
認知症が進行すると、理性を司るとされる脳の前頭葉が萎縮して感情のコントロールが難しくなることがあります。ときには暴言・暴力が出る場合もあるでしょう。そのため、まずは物理的・感情的な距離を置くのが重要です。
そして十分に落ち着いたら、本人の話をよく聞いてあげましょう。多くの場合、何かしらの原因やきっかけが隠されており、解決することで情動の安定のきっかけとなることもあるでしょう。
レクリエーションとは無関係の話を作業中にしてしまう場合は、まず認知症の方の話を聞いて受け入れてあげましょう。その後、自然に話をそらし、レクリエーションへ注意が向くよう誘導していきます。
話を遮ったり否定したりすると相手の心を傷つけてしまうため、注意が必要です。