長谷川式スケールは認知症の簡易検査法
長谷川式スケールを使用することで、限られた環境下でも医師が効率的かつ公平に診断することが可能になりました。
長谷川式スケールは信頼性が高く、国内にある多くの医療機関で使用されています。所要時間が短いことや、用意しなければならないものが少ないことから、取り組みやすい検査といえるでしょう。また、認知機能のなかでも、記憶力の評価を行なう項目で構成されていることも特徴です。
長谷川式スケールと他のテストを比較
・MMSE(ミニメンタルステート検査)
・DASC-21(地域包括ケアシステムにおける認知症アセスメントシート)
・CDT(時計描画テスト)
・MoCA-J(日本語版Montreal Cognitive Assessment)
・RBMT(リバーミード行動記憶検査)
MMSEも古くから採用されている手法であり、記憶力の評価を重視する検査です。MMSEは失語や麻痺など、症状によっては適さない手法となるため、その際は長谷川式スケールを検討するとよいでしょう。
DASC-21は、軽度認知症における生活機能障害を検出しやすいツールです。原則として、研修を受けた専門の職員が実施します。
CDTは、空間的広がりの認知と構成能力を評価する方法です。年齢の影響を受けにくいことから、自動車運転免許更新でも認知機能テストとして採用されています。
MoCA-Jは、さまざまな言語に翻訳されている認知機能検査の日本語版です。軽度認知機能障害の発見、スクリーニングを主たる目的とした検査です。
RBMTは日常記憶に関する検査であり、軽度認知機能障害の発見につながる可能性もある手法です。ただし、検査を行なうには慣れが必要なため、導入に消極的な現場もあるようです。
以上のことを踏まえると、すべて口頭で行えて誰でも実施できる長谷川式スケールは、認知機能の早期対応に大きく貢献する手法といえるでしょう。
認知症テスト「長谷川式スケール」はどのように行なえば良い?
用意するもの
テストには年齢を確認する設問があるため、事前に年齢を確認できるものも用意しておきましょう。なお、テストの開始前に本人に確認することのないように注意してください。