最後に、認知症の検査を受ける際に注意すべきポイントを3つ紹介します。
認知症に対する理解が浅い、もしくは間違った知識を持つことによって不安を感じたり、ネガティブなイメージを抱いたりする方は少なくありません。検査・治療に対して過度に心配しないためにも、検査を受ける前に認知症に対する理解を深め、心の準備をしておくことが大切です。
そのためには、認知症の症状や検査・診断について解説している本、または認知症経験者・その家族の手記などを読むのがおすすめです。認知症発症者や家族に認知症の方がいる人が集まる会に赴き、情報を集めるのもよいでしょう。
本人だけでなく、家族や周囲の人も認知症を正しく理解することで、ネガティブなイメージが払拭され、不安やストレスの軽減につながります。
検査の際は、可能な限り家族も同行しましょう。検査時、本人の普段の様子などを家族に質問する場合があるためです。
同行する家族は、普段からメモを作っておき、あらかじめ医師に情報を共有できるようにしておくと検査をスムーズに進められます。かかりつけ医がいる場合は、既往歴などの情報をまとめ、紹介状やお薬手帳などを持参してください。
また、検査結果を聞くときも、家族が同行するとよいでしょう。家族が同行し話を聞くメリットとしては、複数人で話を聞くことで正確な情報を得られる、検査結果の告知や情報に対して本人および家族で情報の共有が得られるといったことが挙げられます。
検査の結果などに不明点や納得できない部分がある場合は、ほかの医療機関でセカンドオピニオンを受けるのもおすすめです。現在受診している病院にセカンドオピニオンを受ける旨を伝えれば、検査の情報を次の医療機関へ提供してくれる場合があります。
認知症は診断が難しく、医師が認知症を見逃す可能性はゼロではありません。認知症は、今後の生活にも大きく影響します。病状をきちんと把握するためにも、ためらわずにセカンドオピニオンを検討するとよいでしょう。