ストレスは、認知症の進行に大きく影響することがわかっています。ストレスによって脳の血流が悪くなり、脳細胞が壊死するためです。
本人が認知症を自覚することで落ち込み、日常的にストレスを抱えてしまうこともあるでしょう。そのようなときは、家族が一緒に散歩するなど、日常のなかで気分転換やリラックスにつながる場面を作っておくのがおすすめです。
また、パートナーや友人を失うなどの大きな変化が強いストレスとなり、認知症が一気に進んでしまうこともあります。避けられない突然の出来事が起きた際には、本人の心が落ち着くまで静かに見守るのが大切です。
脳への刺激となるコミュニケーションや考える機会が減ると、脳の活動量が低下し、認知症が進行しやすくなります。
例えば、もの忘れを家族から強く指摘されて落ち込み、会話を控えるようになるケースがあります。また、ちょっとしたケガをきっかけに、患者さんができることまで家族がサポートしてしまう、といったことも考える機会を減らしてしまうので注意が必要です。
家族や介護者から積極的に話しかけ、コミュニケーションを取るようにしましょう。また、できることは患者さんが自ら行なうようにして、過度なサポートは避けましょう。
ここでは、自宅でできる認知症の進行を遅らせるための方法を解説します。
自宅でできるとはいえ、悩んだり難しく感じたりすることもあるかもしれません。専門家や介護施設などの周囲の手も借りながら、介護者にとって無理のない範囲で取り入れてみてください。デイサービスなど、施設で行なわれているリハビリのプログラムを利用するのもおすすめす。
まず取り入れたいのは、パズルやクイズといった脳のトレーニングです。ゲーム感覚で楽しみながら取り組める一方で、考えることにより脳への刺激を増やせます。
また、定期的にトレーニングを実施して考えることを習慣化すると、より効果的です。脳の血流が良くなり、脳細胞の壊死による認知症の進行を遅らせることにつながります。
適度な運動は血流をよくするため、認知症の進行を遅らせることにつながります。ラジオ体操やストレッチ、散歩など、自宅で気軽に始められる簡単な運動から取り入れてみましょう。週に2回以上、1回あたり30分以上の運動が効果的といわれています。
ただし、無理な運動や運動のしすぎは、ケガや心不全のリスクにつながるため避けましょう。患者さんの体力や体調に合わせ、無理のない範囲で運動を続けることが大切です。
規則正しい生活習慣は、生活習慣病の予防につながるだけでなく、自律神経が正常化するため認知機能の向上を期待できます。
認知症の症状として睡眠障害や神経障害がある場合、生活習慣を正すのはなかなか難しいことかと思います。少しずつ、できる範囲で良いので、生活習慣を正していきましょう。
また、生活習慣の改善にあたって、どこから取り組めば良いのか、改善されているのかよくわからない、といった悩みや不安もあると思います。そのようなときは専門家への相談や、生活習慣の改善を目的とした機器やアプリをうまく利用しながら取り組むのがおすすめです。