健康面では、毎日のバイタルチェックとして体温や血圧、脈拍などを測定するなど、体調の変化を早期に察知できる体制が整っています。
また、医師による定期的な診察が行われるため、健康状態の確認や治療方針の見直しも可能です。
服薬管理も受けられるため、薬の飲み忘れや誤飲を防げるでしょう。
※薬の処方はできません。
万が一、利用者の体調が急変した場合には看護師や医師が迅速に対応し、必要に応じて医療機関と連携して適切な処置を受けられます。
デイケアは公的介護保険制度に基づくサービスであり、利用の前提として要支援認定もしくは要介護認定を受けている必要があります。
また、40歳以上65歳未満の医療保険加入者で特定疾病がある人も、公的介護保険の「第2号被保険者」として要介護認定を申請できます。
サービスを利用したい場合は、原則として主治医の指示書や診断書が必要です。なお、主治医がいない方は市区町村指定の医師および施設に在籍している医師に書類作成を依頼することができます。
デイケアの利用には、メリットとなる要素もあればデメリットになり得る要素もあります。
デイケアを利用する大きなメリットの一つは、医師や看護師が常駐しているため、体調の変化に素早く対応できる点です。特に、医療機関に併設された施設であれば、より高度な医療的ケアを速やかに受けられることもあります。
また、理学療法士や作業療法士といったリハビリの専門スタッフが在籍しているため、利用者は質の高い機能訓練サービス提供を受けられます。
定期的に施設へ通うことで、生活のリズムが整い心身ともに安定しやすくなる、介護を担う家族の負担軽減につながる、といった点もメリットでしょう。
デイケアを実施している施設の数には限りがあり、希望する施設を利用できない可能性があります。
また、利用を始めるには医師に診断書を作成してもらわなければならないため、その取得に時間がかかることや、デイサービスと比較して利用料が高いこともデメリットの一つです。
さらに、マンツーマンでの個別リハビリが常に受けられるわけでもありません。利用者数や時間帯によって制限を受けることもあり、スケジュールなどの事前確認が必要となります。
デイケアでは、朝から夕方まで日中を通してさまざまなプログラムに参加します。
<例>
上記はあくまでもデイケアの基本的なスケジュールの一例であり、施設や利用者ニーズなどによって内容は異なります。
デイケアを利用する際には、以下のような手続きを行います。
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ケアマネジャーに相談する
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施設を見学する
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主治医などに診断情報提供書または健康診断書の作成を依頼する
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施設側と面談を行い利用可否の判定を待つ
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利用可能になったらケアプランを作成する
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利用開始
利用にあたっては、要支援または要介護認定を受けている必要があります。認定がない場合は、住んでいる市区町村の窓口に申請しましょう。
多くの施設では事前に見学や体験ができるようになっているため、利用前に施設を確認しておくと安心です。
なお、デイケア施設によっては、診断情報提供書や健康診断書を提出しなくても良い場合があります。必要書類に関する不明点は、ケアマネジャーに相談するとよいでしょう。
デイケアを利用する場合、おもに「基本料金」「サービス加算」「その他の費用」がかかります。
基本料金とは、サービスを受ける際にかかる基本的な費用のことです。基本料金には、公的介護保険が適用されます。
実際にかかる費用は、要介護度や施設の規模、利用時間などで異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
<要支援1・2の認定を受けた方>
サービス費用の設定
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利用者負担(1割)
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要支援1
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2,268円/1カ月
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要支援2
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4,228円/1カ月
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<要介護1~5の認定を受けた方>
サービス費用の設定
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利用者負担(1割)
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通常規模※の事業所の場合(6時間以上7時間未満)
※1カ月の平均利用延べ人数750人以内
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要介護1
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715円/1回
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要介護2
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850円/1回
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要介護3
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981円/1回
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要介護4
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1,137円/1回
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要介護5
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1,290円/1回
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なお、利用者負担は居住地の地域区分によって異なります。
サービス加算とは、個別サービスを受けた際や、施設が一定の体制を整えている場合などにかかる追加料金のことです。おもなサービス加算としては、以下のようなものが挙げられます。
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入浴介助加算:高齢者が安全に入浴できるよう、適切な設備やスタッフ体制を整えている施設に対する評価としての加算。
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栄養改善加算:栄養状態が不十分な利用者への栄養改善を図る取り組みや、心身の状態の維持・向上への取り組みに対する評価としての加算。
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口腔機能向上加算:口腔機能が低下、またはそのおそれがある場合における、機能改善を目的とした支援を評価対象とする加算。
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生活機能向上連携加算:医師やリハビリ専門職との協働によってアセスメントを実施し、より適切な介護計画を作成することで算定される加算。
サービスの利用にともない発生する「その他費用」には、食事代や、日用品(歯ブラシ・紙おむつ・おやつなど)を施設側から提供された場合の費用が含まれます。
金額は施設ごとに異なりますが、食費はおおよそ1食当たり500~1,500円程度を目安にするとよいでしょう。
これらの費用は公的介護保険の適用外となるため、全額自己負担です。ただし、施設によっては日用品を持参することが認められている場合もあります。出費を抑えたい場合には、あらかじめ施設へ確認すると安心です。
デイケアを利用するときは、以下のポイントを意識して施設を選ぶとよいでしょう。