はじめに、難病と指定難病の違いを解説します。
難病とは、原因不明かつ治療法が確立していない希少疾患を指し、長期療養を必要とします。
症状や経過、治療状況などは個人差があるため、身体的・経済的に大きな負担となるケースもあるでしょう。
「指定難病」とは、難病のうち厚生労働省が定める条件を満たす病気のことです。具体的な条件は以下のとおりです。
こちらの「指定難病」に該当する場合、医療費助成制度の対象となります。
「特定疾病」とは、介護保険施行令第2条で定められた、加齢に起因して発症する疾病です。
現在は16種類の病気が指定を受けています。
公的介護保険は、65歳以上の「第1号被保険者」と、40~64歳の「第2号被保険者」に分かれます。
第1号被保険者であれば、難病の種類を問わず、要介護認定か要支援認定を受ければ介護サービスの利用が可能です。
第2号被保険者の場合は「加齢によって発症する16の特定疾病」が原因で要支援・要介護状態になった場合に限り利用できます。
特定疾病に該当する代表的な難病は次のとおりです。
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筋萎縮性側索硬化症(ALS)
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後縦靱帯骨化症
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進行性核上性麻痺
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大脳皮質基底核変性症
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パーキンソン病
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脊髄小脳変性症
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多系統萎縮症
要介護認定または要支援認定を受けた難病の方が利用できる介護サービスは、通常の介護サービスと変わりありません。
1割の自己負担(所得に応じて2割、または3割)で、自宅での生活支援から施設入所まで幅広いサポートを受けられます。
なお、要介護認定を受けるには、自治体の窓口で手続きが必要です。手続きの流れについては、以下の記事で解説していますので、ご覧ください。
公的介護保険とは?公的介護保険申請から利用開始まで
自宅で暮らしながら介護や日常生活の支援を受けられるサービスです。
訪問介護ではホームヘルパーが自宅を訪れ、食事や排せつなどをサポートします。訪問看護では看護師などの専門スタッフが体調管理や医療的ケアを行うため、安心して自宅での生活を続けられるでしょう。
介護施設や医療機関に通う通所サービスでは、リハビリや生活支援を受けながら利用者同士の交流も楽しめます。
また、短期入所サービス(ショートステイ)では短期間だけ施設に滞在し、介護や生活支援を受けられます。家族の休養や急な事情への対応にも役立つでしょう。
居宅サービスの種類や自己負担額、利用までの流れについては、こちらの記事で解説しています。
居宅サービスとは?種類や自己負担額・利用開始までの流れ
介護保険施設に入所して受ける介護サービスで、3種類の施設があります。
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特別養護老人ホーム:生活支援や機能訓練を受けられる。自宅介護が困難な要介護3以上の方が対象
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介護老人保健施設:在宅復帰を目的とする施設で、病状が安定している要介護1以上の方が対象
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介護医療院:医療ケアと介護サービスの両方を受けられる施設で、長期療養を必要とする要介護1以上の方が対象
認知症や要介護状態になっても、住み慣れた地域での生活が継続できるように支援するサービスです。
例えば、小規模多機能型居宅介護では通い・訪問・宿泊を組み合わせられるため、家庭の状況や体調に合わせて柔軟に利用できます。
認知症対応型通所介護では、専門スタッフによるケアを受けながら安心して生活できるでしょう。
このほか夜間対応型訪問介護など10種類のサービスがあり、利用者や家族の状況に応じて選択ができます。
地域密着型サービスの種類やメリット・デメリット、利用までの流れについては、こちらの記事で解説しています。
地域密着型サービスとは?サービスの対象者・種類・利用の流れ