デイサービスの選び方は?
種類や特徴から理想の施設を見つける方法


将来に向けてデイサービスの利用を検討しているなかで、どのように施設を選べばよいか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

理想に合った施設を見つけるには、施設の種類やサービス内容への理解を深めるとともに、選ぶ際のポイントを押さえることが大切です。

当記事では、デイサービスの種類や特徴、選ぶ際のチェックポイントを解説します。

デイサービスの種類と特徴

デイサービスには種類があり、それぞれ目的や提供サービスも異なります。まずは施設の種類と特徴を確認しておきましょう。

リハビリ特化型デイサービス

リハビリ特化型デイサービスは、理学療法士や作業療法士などの専門職が配置され、機能訓練を中心としたサービスを提供している施設です。

歩行訓練や筋力トレーニング、ストレッチなどを通じて、日常生活動作(ADL)の維持・向上を目指します。

事業所によっては半日程度の短時間利用(半日型)を採用しており、運動中心のプログラムを実施している施設があるのも特徴の一つです。

一方で、一般的なデイサービスで提供される入浴や食事、レクリエーションなどのサービスは実施していない場合も多く、おもに「身体機能の改善」を重視したい方に向いています。

認知症対応型デイサービス

認知症対応型デイサービスは、認知症と診断された方を対象としたデイサービスです。

認知症ケアの研修を受けた介護スタッフが配置されており、利用者一人ひとりの症状や生活状況に合わせたケアを受けられます。

一般的なデイサービスに比べて12名までと利用定員が少なく、落ち着いた環境で過ごしやすい点も特徴といえるでしょう。

施設を利用するためには、以下の条件を満たしている必要があります。
  • 認知症の診断を受けていること
  • 要支援または要介護認定を受けていること
  • 施設が所在する市区町村に住民票があること

趣味特化型デイサービス

趣味特化型デイサービスは、利用者の楽しみや生きがいを重視したプログラムを提供している施設です。

手芸や音楽活動、園芸、絵画など、多彩な趣味活動を取り入れている点が特徴といえるでしょう。

通常の介護サービスに加えて趣味の時間が設けられており、生活の充実度向上や利用者同士の交流による孤立防止が期待できます。

なお、介護保険は基本サービスに適用されますが、費用の一部や趣味活動に必要な材料費・道具代などは自己負担となる場合があります。

療養型デイサービス

療養型デイサービスは、看護職員が配置され、医療的ケアや健康管理に対応できる体制が整っている施設です。おもに難病の患者や末期がんの患者など、手厚い医療ケアを必要とする方を対象とします。

具体的に行われるのは、たんの吸引や胃ろう管理などの医療ケア、服薬管理やバイタルチェックといった健康管理などです。

日常生活の支援と併せて体調管理を行う形で、生活機能の維持を目指したケアが提供されます。

レスパイト型デイサービス

レスパイト型デイサービスは、家族など介護者の負担軽減を目的として利用されるサービスです。利用者本人の生活支援や機能維持に加え、介護者の身体的・精神的負担を軽減し、介護の継続を支える重要な役割を担っています。

介護者の都合で利用時間を延長できるため、通常のデイサービスよりも長時間の滞在が可能であるほか、夕食後の送迎に対応している施設もあります。

なお、「お泊りデイ」と呼ばれる宿泊対応のサービスを提供している施設もありますが、宿泊部分は介護保険の適用外となるため注意が必要です。

夜型デイサービス

夜型デイサービスは、夕方から就寝前の夜間、または早朝にかけて利用できるサービスです。提供時間は施設によって異なりますが、日中ではなく夜間帯に特化しています。

レスパイト型のような「延長利用」ではなく、夜間専用のサービスであるため、日中は別のデイサービスを利用し、夕方以降に夜型デイサービスへ通うといった使い分けも可能です。

仕事で帰宅が遅い家族への見守りニーズの充足や、夜間の介護負担軽減を目的とした利用が多いサービスといえるでしょう。

食事提供や入浴介助など、基本的なサービスは一般的なデイサービスと同様に受けられます。

地域密着型デイサービス

地域密着型デイサービスは、地域との交流に注力したサービスを提供する、定員18人以下の小規模な施設です。市区町村が指定・監督を行っています。

原則として、以下の条件を満たしている方が利用対象となっています。
  • 施設がある市区町村に在住の高齢者
  • 要介護認定を受けていること
利用者数が少なく、一人ひとりの状態や希望に応じたきめ細かな支援を受けやすいのが特徴の一つです。

また、地域コミュニティーの一員としてなじみやすい、家庭的でアットホームな雰囲気のなかで過ごせる環境が整っています。

デイサービスを選ぶ際のチェックポイント5つ

 
自分に合ったデイサービスを選ぶには、複数の観点から比較することが重要です。ここでは、比較の対象として確認すべきポイントを解説します。

施設の設備・環境

デイサービスを選ぶうえで、施設の設備や環境は利用時の快適さと安全性に直結する重要な要素です。

まず、施設内が清潔に保たれているか、整理整頓されているかを確認しましょう。良好な衛生状態は、感染症の予防や安心して過ごせる環境づくりに欠かせません。

高齢者が安全に過ごせるように、バリアフリー設計になっているかもチェックポイントです。段差の有無や手すりの設置状況に加え、転倒防止に配慮した床材が使われているかも確かめるとよいでしょう。

また、車いす対応のトイレや機械浴設備の有無も、身体状況に応じたケアを受けるために重要です。

これらに加えて、共有スペースの広さや採光、換気状態もチェックしておくとよいでしょう。

スタッフ体制

安全で質の高いサービスを受けるためには、スタッフ体制の確認も欠かせません。介護職員や看護職員が適切に配置されているかは、事故防止や健康管理の面で重要です。

単に人数の多さだけでなく、利用者一人ひとりに対して丁寧なケアが行われているかを見極める必要があります。

見学時には、利用者に対するスタッフの声かけの仕方や、対応が親切であるかといった雰囲気にも注目しましょう。

また、リハビリを重視する場合は、理学療法士や作業療法士などの専門職が配置されているかも重要な判断基準となります。

サービス内容

デイサービスでは、食事や入浴、レクリエーション、機能訓練など多様なサービスが提供されていますが、それらの内容は施設によって異なります。そのため、事前にどのようなサービスが受けられるのかをしっかり確認することが大切です。

特に入浴サービスは施設ごとに対応方法が異なり、一般浴のみの施設もあれば、個浴や機械浴に対応している施設もあります。

食事についても献立や量だけでなく、栄養バランスが考えられているか、アレルギー対応や刻み食などの個別対応は可能か、などを事前に対応状況を確認しておくと安心です。

施設の規模

デイサービスには大規模施設と小規模施設があり、それぞれに特徴が分かれます。

利用者が多い大規模な施設では、レクリエーションやイベントが充実している傾向があり、他の利用者との交流機会も多くなります。

一方で、小規模な施設では利用者数が少ないため、一人ひとりに対してきめ細かなケアが行われやすいのが特徴です。スタッフとの距離も近く、家庭的な雰囲気のなかで過ごせる点も魅力といえます。

施設の規模は、提供されるサービス内容や雰囲気、対応の丁寧さなど、さまざまな要素に影響するため、利用者自身の性格や希望に合わせて慎重に検討することが大切です。

利用料金

デイサービスの利用料金は、介護保険制度に基づいて設定されており、要介護度や利用時間などによって基本料金が決まります。

自己負担割合は原則1割ですが、所得が一定以上ある場合は2割または3割となる点に注意しましょう。

食費やおやつ代、レクリエーション費などは基本的に介護保険の対象外であり、施設ごとに金額が設定されています。

また、送迎費用や日用品費など、追加料金が発生するケースもあります。想定外の出費を防ぐためにも、見積もりや料金表を確認し、総額でどの程度の費用がかかるのか把握しておくことが重要です。

理想的な施設を見極める|デイサービスの選び方

デイサービスを選ぶ際は、利用者自身や家族の理想に合った施設かどうかを見極めることが重要です。満足のいくサービスを受けるためにも、施設の選び方について理解を深めておきましょう。

利用する目的を明確にする

デイサービスには、レクリエーションを中心に娯楽を提供する施設や、機能訓練・リハビリに重点を置いた施設など、さまざまな特徴があります。そのため、まずは何のために利用するのか、その目的を明確にすることが大切です。

例えば、身体機能の維持・改善を目指したい場合はリハビリ特化型の施設、外出や他者との交流の機会を増やしたい場合はレクリエーションが充実した施設が適しています。

また、家族の介護負担を軽減したい場合は、長時間利用が可能で、送迎体制が整った施設を選ぶとよいでしょう。

利用目的が曖昧なままだと、実際に通い始めてからミスマッチを感じる可能性があります。気持ち良く利用を続けるためにも、目的に合った施設選びが重要です。

比較するための情報を収集する

デイサービス選びでは、事前の情報収集と、複数の施設を比較することが欠かせません。

信頼できる情報源として、厚生労働省が運営する「介護サービス情報公表システム」があり、全国の事業所の基本情報やサービス内容、職員体制などを確認することが可能です。

また、地域の介護事業所を紹介する冊子や情報サイト「ハートページ」の活用も役立ちます。

ただし、両者とも情報の更新は1年に1度の場合が多いため、最新情報を収集する事が大切です。

これらの情報をベースに複数の施設を比較することで、各施設の特徴や強み、対応可能なサービス内容を把握しやすくなるでしょう。

見学・体験利用を活用する

デイサービスを納得のいく形で選ぶ際は、見学や体験利用を活用することが大切です。事前の見学をせずに契約してしまい、あとから「思っていた雰囲気と違った」と感じるケースも少なくありません。

体験利用によって1日の流れや具体的なサービス内容を実際に体感できるため、より現実的な判断が可能になります。

可能であれば複数の施設で見学や体験を行い、それぞれを比較したうえで選ぶのが理想的です。

デイサービス選びで迷った場合の相談先

複数の施設を比較しても、どの施設にするか決められない場合は、専門職や公的機関に相談すると理想の施設を見つけるためのアドバイスを受けられます。

ここでは、デイサービス選びで迷った場合の具体的な相談先について解説します。

ケアマネジャー

ケアマネジャー(介護支援専門員)は、要介護認定を受けた方のケアプランを作成し、適切な介護サービスの提案や連絡調整をする専門職です。

相談すれば、利用者の身体状況や生活環境、希望などを踏まえたうえで、適したデイサービス事業所を提案してもらえる可能性があります。

ケアマネジャーは地域の介護サービス事業所の特徴や評判を把握していることが多く、複数の施設を比較しながら検討できる点も大きなメリットです。

また、施設の見学や体験利用を希望する場合には、日程調整などをサポートしてもらえることもあります。

地域包括支援センター

地域包括支援センターは、市区町村が設置している高齢者の総合相談窓口です。介護保険サービスの利用方法を尋ねたり、地域の介護サービス事業所に関する情報を提供してもらえたりできます。

センターには、保健師や社会福祉士、主任ケアマネジャーなどの専門職が配置されており、介護に関する悩みや生活上の課題など、幅広い相談に対応しています。

地域のデイサービスの特徴や利用状況などの情報を教えてもらえる場合もあり、施設選びの参考として活用できるでしょう。

デイサービスの選び方を押さえて理想の施設を見つけよう


デイサービスを選ぶ際は、種類や特徴を理解したうえで、設備やスタッフ体制、サービス内容などを総合的に比較することが重要です。

そのためには、利用目的を明確にし、見学や体験利用を通じて実際の雰囲気を確認することも重要なポイントになります。

迷った場合はケアマネジャーなどの専門職に相談したり地域包括支援センターを活用したりして、納得できる施設選びを行いましょう。

 
朝日生命では、認知症などの介護の経済的負担に備えられる介護保険を提供しています。
将来に備えて保険加入をご検討中の場合は、ぜひご活用ください。

小玉 有紀[介護福祉士]

1986年生まれ。福祉系専門学校にて介護福祉士・介護事務士を取得。介護業務を経験。その後、生活相談員・ケアマネジャーとしても勤務。全国展開する有料老人ホームにてアセスメントツールの開発事業に携わる。また系列施設で社員研修の講師となる。現在も、ケアマネジャーとして勤務するかたわら、ライターとして活動中。

資格:介護福祉士・介護事務士・介護支援専門員

公開日:2026年4月23日

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