忘れる内容・範囲
物忘れの場合、地名や人名などの一般的な知識や、断片的な記憶を忘れる傾向があります。一方、認知症の場合は、自分の経験した出来事そのものを忘れるのが特徴です。
例えば、物忘れの方は買い物に行ったことは覚えていても、買うべきものを忘れることがあります。しかし認知症の方は、買い物に行った経験そのものを忘れてしまい、再び買い物に行こうとすることがあるのです。
自覚・進行の有無
一方、認知症の場合は、記憶力に障害があります。忘れている自覚がないことが特徴です。また、症状の進行が少ない物忘れに対して、認知症では進行が見られることがあります。
学習能力・日常生活への影響
一方、認知症は、脳の病気によって記憶力や判断力が低下した状態です。物忘れだけでなく、学習能力や日常生活にも支障をきたします。
そのため、同じことを何度も繰り返し尋ねたり、食事をしたのにまた食べようとしたりといった言動や行動が見られます。判断力や理解力も低下し、特に物事を順序立てて進められなくなるのが特徴です。また、料理や掃除の手順がわからなくなることもあります。
さらに、慣れ親しんだ場所で迷ったり、約束を忘れたりすることがあり、周囲とのトラブルにつながりかねません。
感情や意欲
また、認知症は物事に対する興味や関心、意欲が薄れる傾向です。何事もおっくうに感じ、やる気がないように見えることがあります。しかし単なる物忘れの場合は興味や関心、意欲は通常どおりです。