介護ロス症候群になると、大仕事を終えて重荷から解放されたあとに発症する「荷下ろしうつ病」の症状が出ます。
荷下ろしうつ病の症状はうつ病と同じです。具体的にどのような症状が出るのか、確認しておきましょう。
食べたい気持ちがなくなり、食べようとしても食べられなくなるといった症状が出ます。好きなものを食べても「おいしい」と思えなくなり、ますます食べようとしなくなるため、体重の減少や体力の低下が起こりやすくなります。
疲れているのに眠れない、眠れたとしても何度も目が覚めてしまうといった睡眠障害の症状が出やすくなります。明け方に目覚めてしまい、そのあと寝つけないまま朝を迎える早朝覚醒も、睡眠障害の一つです。
睡眠障害が起こると、思うように睡眠が取れないため、疲れや気怠さを感じる機会が増えます。不眠はうつ状態を悪化させるといわれているため、注意すべき症状です。
身体が疲れやすくなり、疲労感や倦怠感が抜けなくなります。家事や仕事など、何をするにも億劫になり、活動量が減って無気力になってしまうのです。
ときには身体が思うように動かず、ベッドでの起き上がりさえ困難になる場合もあります。何日も前から段取りをしておかないと、出かけられない状態になる日もあるほどです。
また、人によっては、重い肩こりや頭痛を感じるケースもあります。
気分が落ち込み、人とのかかわりを避けて殻に閉じこもるようになります。頭が思うように働かなくなり、作業効率が下がるでしょう。
なかには人生に希望を持てず、世界から色がなくなったような感覚になる人もいます。物事を何でもネガティブに考えるようになり、「自分なんて必要ない」と自殺願望を抱いてしまうこともあるほどです。
「介護ロス症候群」と似ている症状
「介護うつ」「燃え尽き症候群」の特徴
介護ロス症候群と似た症状として、「介護うつ」や、バーンアウトとも呼ばれる「燃え尽き症候群」が挙げられます。
いずれも気分の落ち込みや意欲の低下など共通する症状がみられるため、違いがわかりにくいと感じる人も少なくないでしょう。
以下では、介護うつと燃え尽き症候群それぞれの特徴を解説します。
介護うつとは、介護による精神的・身体的な負担が積み重なって発症するうつ状態のことです。
介護ロス症候群が介護や看取りの終了後に喪失感から生じることが多いのに対し、介護うつは介護を続けている最中に発症するケースが一般的です。
介護うつの背景には、睡眠不足や慢性的な疲労に加え、介護と仕事の両立によるストレスや、終わりの見えない介護への不安などが関係しています。
介護うつになると、気分の落ち込みや意欲の低下、集中力の低下など、介護ロス症候群と似た症状があらわれる場合もあります。
燃え尽き症候群とは、強い責任感を持って物事に取り組み続けた結果、心身のエネルギーを使い果たしたような状態になることを指します。
介護ロス症候群が介護終了後の喪失感と深く関係するのに対し、燃え尽き症候群は介護だけでなく、仕事や子育て、スポーツなど、さまざまな場面でみられるのが特徴です。
燃え尽き症候群は、介護中も発症する可能性があります。長期間にわたって献身的に介護へ取り組み、自身の休息や楽しみをあと回しにしていると、心身の負担が限界に達することがあるためです。
また、介護ロス症候群と同様に、真面目な人や責任感が強い人、完璧主義な人ほど、自身を追い込みやすく、発症リスクが高まる傾向があります。