妻を介護することになったらすべき7つのこと・心得ておきたい考え方


愛する妻に突然介護が必要となったら、いったい何をすればいいのか、まず何から始めるべきか、悩む方も多いでしょう。

妻に介護が必要となった場合、まずは妻の状態を把握し、介護関係の手続きを行いましょう。一人で抱え込まず、専門家や周囲の人々に相談しながら介護を進めていくことが大切です。

この記事では、妻に介護が必要になったらすべきことを紹介します。加えて、介護で陥りやすい失敗や、介護が必要となる前に夫婦で確認しておくべきことについても解説します。

朝日生命では認知症介護などの経済的負担に備えられる介護・認知症保険をご提供しています。
詳しい資料はこちら

妻を介護することになったらすべき7つのこと

妻を介護することが決まったらまずやるべきことを、7つの項目に分けて紹介します。

妻の状態を把握する

まず前提として、介護は一人で抱え込むものではないことを心得ておくことが大切です。介護にあたり、さまざまな専門家に相談し、アドバイスを受けながら進めていきましょう。

専門家に相談するには、要介護者である妻の状態を正しく把握し、説明できるようにしておく必要があります。医師と相談しながら、妻に介護が必要となった原因や、今後の回復の見込みをノートなどにまとめることをおすすめします。

さらに、日常生活を送るうえで、何がどこまでできるのか、何ができなくなったのかについてもすべて書き出すとよいでしょう。「手すりを使いながらゆっくりフロアを移動することはできるが、階段で2階に上がれない」「服を脱いで浴室に入るところまでは一人でできるが、身体を洗うことや浴槽に入ることが困難」など具体的に記載することで、専門家から適切なアドバイスを受けやすくなります。

役所や地域包括支援センターに相談する

妻の状態を把握した上で介護の専門家のもとに出向き、介護の流れや必要な手続きについてアドバイスを受けましょう。さまざまな機関が介護に関する相談を受け付けていますが、まずは、お住まいの市区町村の介護保険窓口や地域包括支援センターに相談することをおすすめします。

地域包括支援センターとは、市区町村が設置主体となり、高齢者の方が住みなれた地域で暮らしていけるよう支援する機関です。介護サービスや介護予防サービス、保健福祉サービス、日常生活支援などの相談に応じており、介護保険の申請窓口も担っています。
地域包括支援センターでは、介護サービスの知識が豊富な主任ケアマネジャーや、福祉についてよく知る社会福祉士、看護師や保健師など、さまざまな専門家の力を借りることができます。
介護を支援してくれる制度にはどのようなものがあるか、その制度を利用するためにはどのような手続きをすればいいかなどを積極的に相談し、不明点や不安点を減らしましょう。

介護サービスを受けるための手続きを行う

要介護者が公的介護保険によって受けられるサービスを「介護サービス」と呼びます。介護サービスを受けるには、介護の必要度合いを調査する要介護認定調査を受け、要介護度の通知を受け取る必要があります。

要介護認定は申請から認定を受けるまである程度の日数が必要です。なるべく早く必要なサービスを受けられるよう、早い段階で手続きに取り組みましょう。

介護サービスを受けるために必要な手順は、下記のとおりです。
  1. 役所で介護サービスの申請手続きを行う
  2. 要介護認定調査を受ける(認定調査員が訪問し聞き取りをする)
  3. 主治医意見書を書いてもらう(市区町村が主治医に依頼し、要介護度を決定する手がかりとする)
  4. 要介護度の通知を受け取る
  5. ケアプランを作成する(ケアマネジャーに作成を依頼するのが一般的)

家族と話し合い介護の役割を決める

介護は一人で担うものではなく、家族や関係者全員で協力して行うものです。一人だけに負担が偏ると、介護の破綻や、家族間トラブルの原因になる可能性があります。

介護を始める前に、親や義親、子、兄弟姉妹など家族全員で集まって話し合い、誰が何をやるのか役割分担を決めましょう。介護に必要な費用がどれくらいで、どのような役割があるのかを具体的に共有できれば、話し合いがスムーズに進みやすくなります。

自宅を介護がしやすい環境に整える

自宅を妻の介護がしやすい環境に整えることで、介護負担を減らすことができ、また介護される妻も快適に過ごせるようになります。

具体的には、玄関や部屋間の段差をなくす、手すりをつける、廊下を車椅子が通れる広さにするといったリフォームが考えられます。さらに、介護ベッドや車椅子など、介護用品の準備も必要です。

なお、介護のためのリフォームや介護用品の準備にも公的介護保険を利用できる場合があります。リフォームを検討している方は、まずケアマネジャーに相談してみてください。

介護の知識を身につける

介護は実践しながら覚えていくものですが、基礎的な知識や手順は介護スタートまでに把握できているとスムーズです。

本やインターネットで調べる方法もありますが、できれば自治体の介護教室などで実践しながらやり方を身につけておくと、妻の介護が始まってからもあわてず取り組めます。

家計の管理を行う

「妻が家計の管理をしていたため、何にどれくらいお金がかかり、毎月いくら支出していたのか知らない」という方もいるのではないでしょうか。支出額がわからないと、介護にどれくらいお金を使って良いのかわからず、適切な介護を行えません。

家計について妻に確認できるのであれば早めに確認し、生活費と介護費がどれくらいかかるのか把握しておきましょう。

妻を介護する人が陥りがちな4つの失敗・心得ておきたい考え方

妻を介護するにあたって、どのようなことに気を付ければ良いのでしょうか。ここでは、妻を介護する人が陥りやすい失敗と心得ておきたい考え方を紹介します。

自分だけで妻を介護しようとして疲弊する

「長年妻に支えられてきたから、これからは恩返しをしたい」と妻の介護を決めた方は、妻への愛があるからこそはりきって取り組み、すべて自分でやろうとします。その結果、慣れない介護と家事、仕事の両立に疲弊してしまう方が多いようです。

ここまでで述べてきたように、介護は一人でやるものではなく、家族や専門家と協力しながら全員で行うものです。自分一人で抱え込まず、介護疲れや不安を感じたら、早めにSOSを出して周囲の人や専門家に相談してください。

介護者が休息を取るために事業者が一時的に介護を代行するレスパイトケアなどの外部サービスを積極的に利用して、介護から離れて心身を休める時間を作りましょう。

介護において自分のやり方を貫こうとする

「妻のことは長年連れ添った自分が一番わかっている」と、ケアマネジャーや医療従事者のアドバイスを無視して自分のやり方を貫いても、うまくいかない可能性があります。

周囲の人々と協力しないと、介護は成り立ちません。妻のことをよく知っている夫も、介護については初心者です。介護のプロであるケアマネジャーや医療従事者と積極的にコミュニケーションを取り、介護のやり方や妻の状態を共有しながら進めていきましょう。

妻の気持ちへの配慮がおろそかになる

介護の合理性を追求し、自分がやりたい介護を優先した結果、介護される側である妻の気持ちをおろそかにしてしまうこともあるでしょう。人の気持ちや感情は、言葉を話せなくても、認知症になっても、必ず尊重すべきものです。

介護の方針を「こうするのがいいだろう」と一人で決めるのではなく、妻の目線で考え、妻の要望をしっかり聞いて決めていくようにしましょう。

これまで当たり前のようにできていたことが自分でできなくなるのは、妻自身にとってもつらいものです。特に、排泄介助されることを恥ずかしいと感じる方は多いです。何でもやってあげるのではなく、できることは自分でしてもらうようにし、排泄介助などは羞恥心に配慮して行うようにしましょう。

怒りを感じることが増え、妻との仲が険悪になる

介護のため毎日一緒にいると、お互いにストレスがたまり、些細なことが気になってしまいます。介護は予測がつかないことの繰り返しです。仕事のように合理性が通用せず、思いどおりにいかないことが続くと、言い争いが増えて夫婦仲が険悪になってしまうこともあるのではないでしょうか。

介護で怒りを感じるのは、どうしても仕方がないことです。しかし、ストレスが限界を超えると、介護うつや妻への虐待につながってしまう恐れがあるため、注意しなければなりません。

介護から離れて好きなことをする時間を作ったり、周囲の人に話を聞いてもらったりして、ストレスをためすぎないようにしましょう。介護の負担がつらい場合は、家族や介護のプロであるケアマネジャーと相談して、介護のやり方を見直してみてください。

介護が必要になる前に夫婦で確認しておきたいこと

介護が必要になる前から、本記事で紹介した内容について話し合っておくと、いざというときスムーズに介護が進められます。ここでは、先ほど紹介した7つに加え、さらに夫婦で確認しておきたい内容を2つ紹介します。

勤務先の介護支援制度を確認する

育児・介護休業法によって定められている介護休業や、時間単位でも取得できる介護休暇などを活用できます。また、介護休業中は雇用保険によって介護休業給付金を受け取ることが可能です。

また、介護と仕事の両立を支援するため、会社によっては独自の制度を整えている場合があります。お互いの勤務先にどのような制度があり、どのような手続きを行うことで申請できるのか確認しておきましょう。

介護にかかる費用をどのように準備すべきか相談する

朝日生命が実施したファイナンシャルプランナーへのアンケートによると、介護が発生してから終了するまでに夫婦で1,909万円の備えが必要との回答結果でした。この費用をどのように準備すべきか、早めに夫婦で話し合っておく必要があるでしょう。
公的介護保険はもちろんですが、それだけでは足りない場合、民間の介護保険や新NISAを活用する方法も考えられます。若いうちから備えておくことで、いざ介護が必要になった際に安心できるでしょう。

妻の介護は一人で抱え込まず専門家やサービスに頼ろう


妻の介護を始める際にすべきことを紹介しました。

介護は一人で背負うものではなく、周囲の人と協力して行うものです。不明点や不安点は介護関係の専門家に積極的に相談し、一人で抱え込まないように気を付けましょう。また、介護サービスに関する情報を集め、積極的に活用することをおすすめします。

 
朝日生命では、認知症などの介護の経済的負担に備えられる介護保険を提供しています。
将来に備えて保険加入をご検討中の場合は、ぜひご活用ください。

社会福祉士 萩原 智洋

有料老人ホームの介護スタッフとして、認知症の方や身体介護が必要な方の生活のサポートを行う。その後、社会福祉士資格を取得。介護老人保健施設の相談員として、入所や通所の相談業務に従事。第二子の出産を機にライターへ転身。現在は、これまでの経験を活かしてウェブコンテンツの執筆業務を行っている。

公開日:2024年9月9日

介護について知る

介護を予防する

介護について考える

公的制度・支援サービス

介護の費用

介護が始まったら

認知症について知る

認知症とは

認知症の予防

もの忘れ・認知症の専門家の
特別コンテンツ

生活習慣病について知る

生活習慣病とは

生活習慣病の予防

老後の備え方

年代別アドバイス