おもな居宅サービスは、以下に挙げる9種類です。それぞれの特徴を解説します。
自宅で身体介護や生活援助(買い物・掃除・洗濯など)を受けるサービスで、利用者の自立を促すことが目的です。利用者自身ができないことを中心にホームヘルパーがサポートするため「ホームヘルプサービス」ともいいます。
また、通院を目的とした介助サービスの提供も訪問介護の一環です。ただし、
病院内でのサポートは病院スタッフの担当であり、介護サービスの範囲外となります。
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看護職員や介護職員が移動入浴車で運んだ浴槽や給湯設備などを使い、自宅で入浴介助を受けるサービスです。
利用者本人が自力で入浴できず、介護者のサポートだけでは入浴が困難な場合に利用するとよいでしょう。
介護に不慣れな家族が入浴介助をすると、介護を受ける方が浴室内で転倒したり、必要以上に体力を消耗したりしかねません。介護を受ける方の入浴中の事故を未然に防ぐだけでなく、家族の負担を軽減するうえでも役立つサービスといえます。
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医療的なケアが必要な方が、自宅で看護師や准看護師、保健師などの医療従事者によるケアを受けるサービスです。医師の指示のもとで、医療処置や医療機器の管理を受けられるため、病気や障害がある方でも住み慣れた家で安心して暮らせます。
身体的なサポートだけでなく、精神状態のケア、介護者の相談・支援なども訪問介護に含まれます。
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理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの機能訓練指導員によるリハビリテーションを自宅で受けるサービスです。介護者に対するアドバイスや相談もサービスに含まれます。
自宅での日常生活の自立と社会参加が大きな目的であり、実際の生活環境を踏まえた訓練を受けられる点がメリットです。
通院の困難な方が、自宅で医師や薬剤師、管理栄養士、歯科医師、歯科衛生士などによる療養上必要な管理や指導を受けるサービスです。
居宅療養管理指導はあくまでも指導であり、診察や治療、投薬などの医療行為は受けられません。しかし、専門職の方から介護に関する不安の解消につながる具体的なアドバイスをもらえます。また、介護を受ける方の状態を踏まえたうえで、必要なサービスやケアを示してもらえる点もメリットです。
利用者が介護老人保健施設や病院、診療所などに通い、リハビリテーションを受けるサービスです。医師の指示のもと、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などの専門家による機能訓練を受けられます。
リハビリテーションがメインの目的であり、サービスを利用するには要介護認定を受けており、医師が必要性を認めていることが必要です。
利用者の心身の状況や、介護者の仕事・病気などの理由により、一定期間だけ介護施設へ入所して介護や機能訓練などを受けられるサービスです。最長で30日まで連続で利用できます。
なお、短期入所生活介護の対象は、要介護認定を受けている方です。要支援認定を受けている方は、「介護予防短期入所生活介護」を受けられます。
居宅サービスを利用して、介護環境を整えることも可能です。例えば、車椅子や介護ベッドなどの福祉用具をレンタルできます。
また、排泄や入浴用のアイテムなどレンタルに不向きな福祉用具の購入時に特定福祉用具購入費、階段や浴室に手すりを付けるなどリフォームをしたときに住宅改修費の支給を受けられます。